有名食べログレビュアー「うどんが主食」氏が、絶賛しているステーキ店のオーナーの財布で、銀座のクラブで豪遊していたと文春が報道。事実だとしたら、食べログの規約違反どころか、ユーザーをも裏切ることになります。週刊文春の記事内容を追記。
食べログレビュアー「うどんが主食」氏を、常連店の店主が接待か
出典:https://tabelog.com/rvwr/alwaysudon/
うどんが主役氏のマイページ。
絶賛しているステーキ店「ウェスタ」の口コミは、すでに消されています。
こちらが掲載されていたうどんが主役氏の口コミ。レビュアーには常識ですが、どんなに高得点でも、4.5点程度が食べログの空気です。
ステーキ店「ウェスタ」(東京・日本橋)の4.8点は、うどんが主食氏がレビューした1575店のなかでも、トップ10に入ります。うどんが主役氏のフォロワーは、39883人(※)。上位のお店のレビューは、写真つきで目立つように表示されますので、相当の宣伝効果があったはずです。
※ネットで報道があった直後の数。現在、徐々に減っています。
その意味で、店主から、1品おまけをしてもらうだけでも本来はNGです。まして、銀座のクラブで豪遊し、店主に会計を負担させていたとすれば、フォロワーへの裏切りとなるだけでなく、食べログの信用を大きく傷つけたことになります。
【追記】週刊文春の記事内容
記事内容要旨(週刊文春6月15日号/6月8日に発売)
- 飲食店は、サービス供与すればステマ記事を書くグルメレビュワー・ブロガーが多いと認識している(あるグルメブロガーによる告発)
- 食べログの影響力は絶大で、激戦区では数千万の売上の差になることもある。
- うどんが主食氏は、50代社長。食べログで得た信頼で、テレビ出演も多数。
- 銀座の高級クラブで、常連店ウェスタの店主と同席。会計は店主負担。
- ステーキ店ウェスタでは、最高級ワインがおごり、ブルガリの時計も。
- ほかに焼肉店店主からもゴルフ接待等を受けている[店名は本誌に掲載]。
- うどんが主食氏は、仲の悪い店には手厳しい[具体的には本誌に掲載]。
週刊文春の記事の概要は以上です。文春本誌には、自宅前でのうどんが主食氏への直撃インタビューの様子も掲載されています。
元ネタは、競業のグルメブロガーによる「内部告発」だったようです。文春が指摘するように、特別な条件での飲食はそれをレビュー内に明記するのが食べログのルールです。また、完全にステルスマーケティングの条件が、揃っています。
追記 うどんが主役氏が、全口コミを削除
批判の高まりを受け、うどんが主役は6月11日、全口コミを削除しました。
そもそも食べログを誰も信用していない問題
出典:食べログ(ユーザーの高年齢化が進んでいるためか、若いイメージを強調します)
私は、東京在住ですが、ランチの取材記事を多く書いています。遠方の観光地も多いので、事前の初期リサーチは必須。その際に、現在は消されましたが「お店応援口コミ」という、本末転倒のルールが、大きな字で要請されていたぐるなびは論外。Rettyも、書き手に評価の基準がないため、参考にはしづらいです。
一方食べログは、賛否ありますが、レビュアー同士の交流があり、点数のつけ方、評価の仕方など、一定の基準があることがメリットです。また、食べログ側は、やらせ投稿は極力排除し、またレビュー経験が少ない人の投稿も軽視するアルゴリズムを持っています。数百回以上使いましたが、少なくともぐるなび、Rettyとは比較にならない信頼度があります。
※観光地、地方での信頼度は落ちます。
なぜ多くの人は食べログを嫌うのか
では、なぜ多くの人は食べログを嫌うのでしょうか?
食べログは、「地名+ランチ」などの検索で上位表示されますので、多くの人がレビューを見たことがあるはずです。その際に、独自の上から目線のグルメレポーター気取りのおっさんレビューに当たってしまうと、その後マイナスイメージを持ってしまうのでしょう。例えば、たった1記事のマイナスイメージから、絶対に見ないブログやニュースサイトができるのと同様です。
ほかには、食べログが、やらせ等の批判を受けやすい点があります。これは、全国最大級のサイトでありターゲットとされやすいことと、食べログ批判記事は、関心(アクセス)を集めやすいという2点があると思います。今回文春が、食べログ周辺の不祥事を狙ったのも、このことが背景にあります。
なぜ多くの店主は食べログを嫌うのか
うちの会社でやってる店が、いきなり食べログ3.0にリセットされた。
— SEっKIぃ (@SEKKKIE) 2016年9月6日
理由は、食べログの契約更新で、食べログ側が押し付けてきた物を部分的に断ったから。
要するに食べログは、自分達の言いなりになる飲食店だけ点数上げるということ。
食べログは、その影響力からか、店主の批判を受けやすい点も特徴です。直近の騒動は、2016年9月の炎上騒ぎです。
結論から言うと、食べログのアルゴリズム変更で、点数がわずかに下がったタイミングで、食べログの営業が「契約がないと、デフォルトの掲載順位が下がる」とのトークを打っただけです。店主が、契約を結ばなないと、点数を下げると勘違いしたのが真相だと考えます。そもそも、順位と点数を取り違えています。
契約がないと下がるのは、標準の並び順です。会員店舗優先と明記してあります。当時は、広告優先という現在よりもダイレクトな表記でした。
※下は当時の状況を調査した記事ですが、かなりマニアックなので、興味があれば。
このように食べログは、少なくともぐるなびと比べれば、ユーザーを欺かないという意図がはっきりしたサイトですが、常に批判される不思議な存在です。かつて「お店応援口コミ」を明記し、ある意味、ユーザーに背を向けたぐるなびに対し、食べログは、根拠に薄い毒舌の口コミであっても、リライトを丁寧に依頼してくる形です。削除はしませんし、交渉にも乗ってくれます。
食べログは信用を傷つけた「うどんが主食」のアカウントを削除すべき
そもそも食べログを誰も信用していない、というご意見は分かりますが、上述のように、食べログにも、評価すべき点がありますし、一定のユーザーを抱えています。
その点で、食べログは、信用を傷つけた「うどんが主食」のアカウントを削除すべきだと思います。食べログも、ネット上のレビュー記事の1つです。ネット上のレビュー記事が、広告主による利益供与で捻じ曲げられつつあるのは百も承知ですが、あきらめずに、1つ1つ正してゆく必要があります。
うどんが主役氏の釈明コメント
うどんが主役氏は、食べログのフォロワー向けに次のように釈明しています。
私はこれまで飲食店を評価する時、いくら親しい友人の店であっても正直に評価をしてきました。今回、週刊文春の記事において書かれたことで読者の方々に誤解を与えてしまい、また友人のお店に多大なる迷惑をかけてしまいました。今後、たとえ美味しくても友人のお店は誤解を招く恐れがあるので一切レビューしないことにします。
ステーキ店「ウェスタ」は、友人のお店であり親交が深いが、評価そのものは客観的に行っているという釈明です。
影響力があるレビュアーが、レビュー先の店主と、銀座のクラブで遊ぶということ自体は、きわどいですが、会計を負担させた場合は、さすがにアウトになると思います。その点で、批判は免れないと思うのですが、評価そのものは客観的に行っているという表明を信じるしかなく、レビュアーとして、襟を正して再起して欲しいと思います。
www.jarna.jp
現在ブームになりつつあるVALUとは?
追記
id:tinyoko8 さん「食べログはお店側お金払わないと3点以上は付かないって本当ですかね」
食べログは、口コミ数が少ない(20以下程度)段階では、店舗関係者、知人、ステマ業者に警戒して、点数を表示しなかったり、3.0に近づけて表示します。多数のお店に訪問しており、やらせの可能性が少ない、客観的な口コミ数が増えて、ようやく点数が上がっていきます。3.0から始まり、ほとんどの店が3.3程度まで上がり、ごく一部のお店が3.5を超えてゆく流れです。
食べログでは現在、全国最高得点がカンテサンス(北品川)、2位が鮨さいとう(六本木)、3位が松川(六本木)ですが、3位の松川(4.8点)は食べログにお金を払っていないと思われます。
id:masaru-masaru-3889さん そもそも、味覚は個人差があります。また同じ人が同じ店で食べても、体調・温度などの環境・誰と食べるかの心理面で味は不思議なくらいかわります。最後は自分で食べて、リピート店とするか否か決めるだけですね^^
食べログの点数は、あくまで参考となりますね。食べログ側も、「お店選びで失敗しなたくない人のためのサイト」を長く表示しています。絶対的においしい店を探す仕組みでなく、短時間であからさまなハズレを検討から外すのが目的です。端的にいうと、知人を一見の店に連れてゆく際のリスク軽減が、目的です。
食べログのレビュアーは、ほとんどが40代、50代の方です。多く書いている人は、味覚の個人差や味の感じ方の違いに対しても比較的敏感で、まずいと思った場合でも、経験数が多い人のレビューを参考に、慎重に表記したり、再訪問して書くケースが多いようです。1つ1つ見てゆけば、雑なのは恐らくRettyの方で、完全にフィーリングの世界です。いずれにしても、最後は味に対する自分の感じ方ですね!
id:xyzkitazyxさん 大絶賛されてるものを信用しすぎず、自分で気になったものを、開拓してみるとまた楽しいかもですね!
食べログで上位に来る店は、基本的には接遇が良い店で、味は1要素の感じです。食べログのレビュアーは、40代、50代男性会社員がメイン。役職者が多いはずで、きちんともてなされたいという意欲が強いことが背景にあると思います。そのため大絶賛=味が良い、というわけではないですし、若い人向けの量が多いお店なんかは、上位に来ないと思います。逆においしくなくても、おかんががんばっている店なんかは、点数が落ちない傾向があります(笑)
食べログ側も、「お店選びで失敗しなたくない人のためのサイト」を長く表示し注意喚起しているように、あからさまなハズレをつかませない、というのが主目的ですね。また、田舎や観光地では、食べログは非常に弱く、しっかり食べ歩くと、食べログがかなりいい加減であることが分かります。これも、メインユーザーが多忙な40代、50代会社員であることが大きいと思います。観光地だと、1つか2つのお店を1回経験するだけですので、ちょっと厳しいです。お店の看板メニューを頼まずに、残念と書いている人もいますね(笑)