この記事では、混雑と無縁の、夕方以降に高尾山を楽しむ方法や、植物の植生の変化を楽しむ、高尾山の新しい楽しみ方を提案します。
夕方15時前後に登れば混雑回避が可能/高尾山の楽しみ方
高尾山に登る人は、年間約300万人! 冬場を除き、1年を通じて混雑が激しいことで知られています。写真のケーブルカーに加え、並行するリフトもありますが、ケーブルカーの乗り降りや、高尾山駅から薬王院にかけては、かなり混雑します。
混雑を避けるためには、高尾山は15時前後に登るのがコツです。この時間帯なら、ケーブルカーもガラガラで、良い席が取れます。
下りの最終便は、17時から18時台が基本。ただし、山上の高尾山駅付近にビアガーデンがある関係で、6月中旬から10月中旬までは、夜21時頃まで運転しています。
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6月中旬~10月中旬 15~16時ごろのケーブルカーで登り、19時以降のケーブルカーで降りると、かなりすいています。夜間は徒歩での下山はNG。
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上記以外 14~15時頃のケーブルカーで登り、並行する1号路徒歩で下山すると、混雑に巻き込まれにくくなります。ただし、夜間の登山道は真っ暗になり大変危険なため、日没までに下山し切る計画が必要です。
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冬場 終日すいています。
屋久島並みの1598種の植物がある高尾山/高尾山の楽しみ方
写真:山上の高尾山駅付近
山上の高尾山駅から薬王院までの道のりには、鬱蒼(うっそう)と茂る森が続きます。
NHKのブラタモリによると、高尾山には、屋久島と同等の、多様な植物種が存在します。
- 高尾山は2600平方メートルの範囲に、1598種の植物。
- 屋久島は、20倍の面積の範囲に、1723種の植物。
比較すると、屋久島より豊かな植生があると考えることもできます。植物や植生を見学するのが、高尾山の新しい楽しみ方です。
高尾山登山道1号路(薬王院参道)の主な花/高尾山の楽しみ方
春の花
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ユリワサビ(写真:ウィキペディアより)
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ビロウドタツナミ
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フタリシズカ
夏の花
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タマアジサイ(写真:ウィキペディアより)
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ヤマアジサイ
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ヌスビトハギ
秋の花
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フクオウソウ(写真:ウィキペディアより)
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キッコウハグマ
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モミジガサ
高尾山の最大のポイント/高尾山の楽しみ方
写真は、ケーブルカーの高尾山駅と薬王院の中間地点です(登山道1号路、神変大菩薩付近)。ブラタモリ高尾山編の最大の見せ場でしたが、左右の森の様子が異なっています。
北側(右側)の明るい森は、イヌブナなど、葉が薄く色も薄い落葉広葉樹の植生です。
南側(左側)の暗い森は、カシやヒイラギなど、葉が厚く色も濃い常緑広葉樹の植生です。
なぜ同じ高尾山で、道を隔てて2つのタイプの森が隣り合っているのでしょうか?
それは、高尾山がちょうど、冷たい気候に適した落葉広葉樹林と、暖かい気候に適した常緑広葉樹林の境目にあるからなのです!
ちょうど良い場所に高尾山があり、東京に近いにも関わらず、森が荒らされなかったのは、奇跡的です。高尾山の保護のカギを握った北条氏が倒された後も、徳川家、天皇家、国が高尾山保護の伝統を受け継いできたのです。
高尾山を守った薬王院の政治/高尾山の楽しみ方
高尾山が、東京から近いにも関わらず、古い森が守られている背景には、薬王院の存在があります。
植生図を見ると、高尾山の周辺の山々は、スギとヒノキの人工林がほとんど。要は「金になる木」です。しかし、高尾山薬王院は、戦国時代に当地を治めた北条氏(小田原城)と深い関係を持っていました。北条氏は、竹林伐採禁止の法を制定し、高尾山の周辺を手厚く保護したのです。
帰りは、北島三郎さんが見送ってくれます。
天下取るのは 昔から
人の助けと 時の運
夢のでかさは 心の広さ初心忘れず 登って来いと
教え見守る あゝ高尾山北島三郎『高尾山』より
夕刻や曇りの日もおすすめ/高尾山の楽しみ方
高尾山薬王院では、外国の方がとても時間をかけて、建物を見ていました。
晴れると富士山が見えるのですが、曇りや小雨の日もおすすめ。特に霧が出ると素晴らしい光景になります。
シーズンはケーブルカーに行列ができるなど混雑するので、夕刻に薬王院に到着するのもおすすめです。人が少なくなった、薄暮(はくぼ)の雰囲気は、高尾山の新たな楽しみ方です。
このほか、高尾山のおすすめのルートや地図を、姉妹サイトにエントリーしましたので、お出かけの際にご利用ください。
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登山道の説明は、次のエントリーを紹介しておきます。