健康関連で、信頼度の低い「パクリ記事」を量産していると批判された、ウェルク(WELQ)。
それでもウェルク(WELQ)は、必ず逃げ切る
出典:welqホームページより
批判に対するウェルク(WELQ)の対応は、記事の公開停止をしない、対応の期限を設定しない、(広告主が同意していれば)広告は消さない、専門家を医師や薬剤師「など」としたように、かなり人を食ったものでした。これはさらに批判を呼び、今日になって一旦全記事を非公開にしました。
googleは「YMYL」(=Your Money or Your Life)という造語まで作って、マネー、健康、法律に関する記事の管理を強化すると、宣言済みです。ウェルク(WELQ)は、資金力を駆使して、対応を進めるでしょう。
一方、パクリ批判に関しては、googleの公表するルールとサーチクオリティチームの動向をできる限り研究し、ペナルティを受けるものではないと、絶対の自信を持っていると思います。とにかく彼らは事情通なので、そう簡単に追い詰めるのは、難しいでしょう。この記事では、彼らを追い詰める方法を提案します。
キュレーション(パクリ疑惑)サイトが消えない理由
出典:http://www.co-media.jp/article/15202
5年ほど前でしょうか? パクリ疑惑サイトの先輩格とも言えるNAVER まとめに対する批判が、ネットから継続的に発信されていました。しかしgoogleは、なかなか重い腰を上げることはありませんでした。
その理由に、分厚いユーザーの存在があります。
私は別サイトで、取材を前提とした、パクリ要素のない旅行記事を書いていますので、上位をぶんどるNAVER まとめの存在は非常にイヤでした。なぜこんなパクリ疑惑サイトが、と非常に不可解でしたが、あるときその疑問が氷解しました。
以前、電車内で聞いた、旅行中の大学生の会話に驚きを禁じえなかったことがある。
「ねえ、次どこ行こうか」
「ネットで、調べてみて。のってるかなあ」
「あった!ネバーまとめ、何でもまとめちゃうな」
「さすがネバーまとめ。あ、ここいいって書いてあるよ」
「よさそーだねー」
忘れもしない、上りの東海道線の車内でのことです。数回しかない、大切な学生旅行に、揃いも揃って、行ったことのない人がまとめたサイトを使う大学生たち。揃いも揃ってサイト名すら分かっていない。結論は「よさそーだねー」
ああ、こいつらだと分かりました。このように、ネットリテラシーが低いB層が、ものすごい数で存在しているのです。
※B層とは、小泉政権を支持した軽やかで無知な大衆を指しますが、ここでは広義で使っています。
キュレーション(パクリ疑惑)の順位が下がらない理由
ウェルク(WELQ)などのキュレーション(パクリ疑惑)の検索順位が下がらない理由は、このB層の存在です。
キュレーションサイトに批判的な層は、オリジナル性が高く、深く掘り下げた情報を見たい、著作者を大切にしたい、という気持ちを持っています。そして必ず付くのが、「たとえ多少サイトが見づらくても」という条件です。これは、はてなブログのユーザーの方にも多いと思いますが、実ははてな関連のシステムは、操作性が高度で使いづらい面があります。私が以前ネットオタクの20代にはてな関連の使い方を教えた際に、しばらく戸惑っていたのが印象的です。それだけ、多少の難よりも質を選ぶ層だということです。
キュレーションサイトに批判的な層は、サイトの見づらさ、言葉遣いの難しさ、展開の複雑さなど、しっかりした個人サイト、専門家サイトにありがちな問題点を意に介しません。しかし、B層はそうではありません。彼らの至上命題は、見やすさ、易しい言葉、シンプルな展開です。残念なことに、オリジナル性、深い掘り下げに興味は持たないし、著作権なんて存じ上げないのです。B層が存在する限り、ウェルク(WELQ)などのキュレーション(パクリ疑惑)の検索順位は、下がらないと言えます。
※もちろん、単純に投稿頻度が高いという点もあります。DeNEのまとめサイトMERY(メリー)は、在宅以外に、オフィス勤務ででまとめさせるバイトも大量に雇用していると聞いたことがあります。googleは量があれば、質に目をつぶるロジックを持っています。
googleのロジックは、キュレーションサイトを下げる可能性を持つ
googleの検索順位によって、おおよそのクリック率が測れます。
2014年の検索順位別クリック率データ(英NetBooster)
1位 19.35%
2位 15.09%
3位 11.45%
4位 8.86%
5位 7.21%
6位 5.85%
7位 4.63%
8位 3.93%
8位 3.35%
10位 2.82%出典:海外SEO情報ブログ
キュレーションサイトに批判的な層は、例えば1位、2位、3位にキュレーションサイトがあれば、4位以下をクリックするはずです。
そして多くの人がキュレーションサイトを避けた行動をすれば、1~3位のキュレーションサイトのクリック率は、平均より下がるはずです。この結果、googleは、順位が質を正当に反映していないと判断し、自動的に順位を変更し、キュレーションサイトの順位が下がっていきます。
現実にウェルク(WELQ)などのサイトが上位表示されているのは、おおむね検索順位別の想定に沿ったクリックがされているからで、もう犯人は明白です。B層です。
ウェルク(WELQ)帝国を滅亡させる唯一の手段
B層がまとめサイトをクリックする限り、 ウェルク(WELQ)は永遠に不滅です。考えられる手段は2つしかなく、何かのアクシデントでウェルク(WELQ)のサーバーが、ぽんっ!と爆発してしまうか、たまたまどっかに集まったB層がぽんっ!と消えてしまうかしかありません。それもまた不穏当な話ですので、要するに何をすればよいかというと、B層にまとめサイトの悪いイメージを刷り込むのです。これは、安易なアイデアでなく、本気で提案させていただいています。
正面からまとめサイトのデメリットを説明してもいいし、「◯◯のサイト使っている人、おバカが多いそうよ。あなたは、まさか使ってないわよね!おーっほっほ!」でもOKです。
一応確認しておきますと、ウェルク(WELQ)のサイトは、googleの基準(あるいは現状の検知能力の限界)ではパクリではありません。もしパクリであれば、とっくに先生からペナルティを食らっているはずです。パクリというのは、あくまで、世間一般の規範に照らしたものです。またB層というユーザーにメリットを提供していることは、否定できません。
DeNA系のまとめサイトに勝つ方法
別サイトで旅行記事を書いていますが、「沼津港 ランチ」で検索していただくと、自分の記事がDeNA系のFind-Travelより上位に表示されると思います。
沼津港のランチ、海鮮丼を取材したこの記事は、ランキング形式で紹介した10店のうち、9店に関して、それぞれ取材記事を書いています。Find-Travelは、全て引用写真ですので取材は恐らくゼロです。
私は東京在住です。9回沼津港を訪問し、1記事1時間換算でも、10時間ほどかけて記事を完成させています(実際にはもっとかかっています)。1店1000円として、食事代だけで約1万円です。ここまでしないと、Find-Travelには勝てないのです(逆に言えばここまですれば勝てますけど、旅行記事は収益にならないのでやや無理ゲー)。
しかし、Find-Travel勝っているのはほとんどこの記事だけで、他は惨敗しています。ボロボロのズタボロです。これが、旅行の個人サイトの実情です。旅行は、その人にとって一生に一度のものになるかも知れません。それを、取材しないで、写真や口コミをパクって書くということは、到底許されないと、私は思います。
個人サイト、専門サイトを助けてください!