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じゃーな!

「別な人」が作る社会に引導を渡す

しくじり先生の野沢直子がおもしろかった

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テレビがつまらない。テレビをほとんど見なくなって。なんねんたつだろう?見るのは、スマートフォンをさわれない、夕ごはんの時くらいだ。いつも、旅番組かものづくりの番組を見ている。

しくじり先生の野沢直子がおもしろかった。ひさしぶりに、テレビをまじめに見た。冷凍庫にあった、紅茶クッキーにはさまれたアイスを食べながら。吉本初の女芸人だった野沢直子は、デビュー後トントン拍子に売れたが、とつぜんアメリカに移住してしまった。アメリカでは、芸をいちから磨くために、あちらの人気キャラクターである、ミッキーマウスを使ってコントをした。腹話術でミッキーの人形を動かし、なにか悪いものを食べさせられたミッキーがゲロをはく、とんでもないネタだ。

これはアメリカ人に全くうけなかったが、スタジオの米倉涼子のツボにはまり、大わらいが止まらなかった。米倉涼子は、ちいさい頃からクラシックバレーを仕込まれ、事務所もしつけが厳しそうなオスカーだ。自分と正反対の、野沢の破天荒ぶりにとても共感したのだろう。

 

心理学者の河合隼雄は、人は、ながく自分のこころが抑圧してきたぶぶんを、遺憾なく発揮している人を見ると、気づかぬうちにその人を嫌ってしまうことがあると書いた。しかし、ときには裏腹に、そのような人のふるまいに、自分のこころの奥底に閉じ込めた第二のじぶんの体現者に、拍手かっさいを送ってしまうこともあるのではないか。サバサバしている反面、生真面目そうな米倉涼子の琴線に、野沢の生き方がふれたようにおもった。

野沢直子は、アメリカにしばらく滞在したあと、なんだアメリカ人っておもしろくないじゃんと気づいた。修行先を誤ったのだ。アメリカ人といえば、朝から晩まで気の利いたジョークをマシンガンのように撃ちつづけ、死ぬときも冗談をいいそうな人種だ。一生で関西人の5倍は笑っていそう。しかし、アメリカ人は超個人主義のうえに、多民族国家だから、お互いに地の果てまで絶対に分かり合えない前提だらからこそ逆に、愛しているよ、共感するよ、とてもおもしろくて腹がよじれそうだ、という言葉を、ナイアガラの滝のようにおおげさなジャスチャーで示すのだときいたことがある。だから、アメリカには、真の笑いのセンスはないのかもしれない。ツールとして、朝から晩まで笑うことになっているから。フォークが転がったって、彼らはきっとわらう。日本人は、お互いににていると思っているから、あうんの呼吸だし、きほんぶっきらぼうの仏頂面だ。なかなか笑わない日本人を笑わせることができる日本のお笑い芸人は世界一おもしろいのかもしれない。

このようなことを考えさせてくれるテレビ番組は、ひさしぶりだ。テレビも悪くない。

※番組の要旨 野沢直子は、デビュー直後、若きダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコとともに、伝説的コント番組「夢で逢えたら」に抜擢された。しかし、自分の才能のなさに気づき、逃げるように渡米したというが真相だった。当時は、数年間の修行のための充電期間とアナウンスされていた。

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