じゃーな!

「別な人」が作る社会に引導を渡す

長谷川氏が炎上 故電通社員話題のなか「100時間ぐらいで過労死は情けない」

広告

現在の人気記事 

名古屋の星 スガキヤラーメンを求めて富士宮に行ってきました!


過労による自殺で労災認定を受けた電通の元・女性新入社員が話題になるなか、武蔵野大教授の長谷川秀夫氏が「100時間ぐらいで過労死は情けない」とフェイスブックで発言しています。

ツイッター画像出典:Tweets with replies by まつり (@matsuririri) | Twitter(現在、正規の埋込み式のリンクが機能しなくなっているため、やむを得ず画像にて代用しています)

元社員の残業時間は、月約130時間の記録

f:id:travel_jarna:20161009085236p:plain

入退館記録による残業時間は、月約130時間でした(2015年10月)。1日平均5時間25分ですが、これに加え自宅作業があります。

f:id:travel_jarna:20161009084420p:plain

 朝4時前の帰宅や、休日出勤の記録もあります。

長谷川氏「月約130時間で過労死は情けない 」

月当たりの残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意志があれば、残業時間など関係ない。自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。更にプロ意識があれば、上司を説得してでも良い成果を出せるように人材資源を獲得すべく最大の努力をすべき。それでもダメなら、その会社が組織として機能していないので、転職を考えるべき。また、転職できるプロであるべき長期的に自分への投資を続けるべき。

長谷川 秀夫氏のフェイスブックより

ネットでは、長谷川氏のこの発言が、元電通社員に言及したと見られ批判が集中しています。しかし、フェイスブック上での最近の発言を見ていくと、不穏当なものは全くありません。

・(着服の追求も大切だが)今後、豊洲市場をどうするのか、いつまでに、どのような対策を打つのか、そのロードマップをどうするのかの検討の方が優先だと思います。

・我が家では、家事は家族で分担。一億総活躍の妨げは、保育園入園の難しさを初めとする女性の活躍を妨げているもの(中略)だと考えます。

・(「贅沢な」貧困女子高生叩きは)生活保護の不正受給問題等が背景にあるのでしょうが、NHKも報道したのなら、何らかの見解をメッセージとして発信すべきでしょう。ところで、私は、「500円ランチ」です。

数カ月分の発言を確認しました。社会の話題に好奇心旺盛で、コツコツSNSに打ち込んでいる、ただの還暦のおっさんだと分かります。発言を評価するには、その人の前後の発言や最近の発言を見ることも必要です。同じ長谷川でもずいぶん違うぞ。

発言1つを取り上げて、それらしい叩き記事を完成させ、アクセスを狙うのは、ネットを汚す行為です。←

長谷川氏の発言の主題を分析

f:id:travel_jarna:20161009135018j:plain

長谷川氏の発言の主題を分析します。

① 月当たりの残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。

② 会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意志があれば、残業時間など関係ない。

③ 自分で起業した人は、それこそ寝袋を会社に持ち込んで、仕事に打ち込んだ時期があるはず。

長谷川氏の発言の中核部は3文から成っています。①②が主張(命題)の繰り返し、③が具体例を用いた立証です。

①の文(=過労死は情けない)だけが抜き取られ、一人歩きをしていますが、②の文と同値なのだから、②の文を見て当然です。すると、

会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意志があれば、残業時間など関係ない。

何のことはない、英語でいうif節のようなものを伴う、条件つき命題です。

「明日晴れたら、行くからね!」と約束した人が、来なかったからと言って、批判される筋合いがないように、条件つき命題は、扱いに注意すべきです。

追記 id:underd 様より、長谷川氏の発言が、元電通社員を指したものではなく、会社員全般を意図した発言である可能性をご指摘頂きました。ここでは、長谷川氏の発言を契機に、特に若手社員の置かれた環境について論じているとご了解頂ければ幸いです。
なお、タイトルとリード文には訂正を入れました。(当初タイトル)長谷川氏が炎上 故電通社員に「100時間ぐらいで過労死は情けない」(現行)長谷川氏が炎上 故電通社員話題のなか「100時間ぐらいで過労死は情けない」/(当初リード文)電通の元・女性新入社員について、→ (現行)電通の元・女性新入社員が話題になるなか、

元社員は、自分が請け負った仕事をプロとして完遂する環境だったのか

元社員は、自分が請け負った仕事をプロとして完遂する環境だったのでしょうか?

本人はまだ新入社員です。本人のツイ-ト(Tweets with replies by まつり (@matsuririri) | Twitter)をさかのぼる限り、典型的な新入社員です。

f:id:travel_jarna:20161009130851p:plain

飲み会の出し物作りをやらされている、典型的な新入社員です。

つまり、長谷川氏の発言は、過労死した方が「自分が請け負った仕事をプロとして完遂する」立場ではなかったのに、そう誤認してしまっただけの問題です(注:会社員全般を指した発言だったとの指摘もあります)。もちろん、大学教授という発信力のある立場ですので、精査した上での発言が求められますが、基本的には私的通信であるフェイスブック上では、情状酌量の余地もあります。

私自身も、フェイスブックで観測気球を上げた過激な記事を、ある程度客観化してブログに書くことがあります。

f:id:travel_jarna:20161009131457p:plain

ただし、フェイスブックでもちょっと危ないかなと思うときは、プライバシー設定を「友だちにのみ公開」にすべきでしょう。長谷川氏はすべて「公開」にしています。しかしながら、還暦の方ですので、そのあたりの仕様にまで精通を求めるのは、無理筋な気もします。

自分が請け負った仕事をプロとして完遂するとは

f:id:travel_jarna:20161009135928j:plain

自分が請け負った仕事をプロとして完遂する立場ならば、残業時間は関係ない。この命題は事実だと思います。例えば、創業者や独立事業者は、体力が続く限り無限に仕事をすることがありますが、これは当然です。

裁量権が100%あり、働いた全ての果実を自分のものにできるからです。

私は、2014年8月から独立事業者をめざして仕事をしていますが、体調が悪く動けなかった日以外に、休んだ日は1日もありません。←休んどるがな 旅行関係の記事を扱っているので、お盆や正月に休むなどありえません(アクセスが多くて楽しいから、つい仕事してしまう)。これは取りも直さず、仕事の裁量権が100%自分にあり、収益が100%自分のものになるからです。いつ休憩しても良いし、何から始めても良いし、何をしてもしなくても良い。この条件なら、「残業」は全く苦ではありません。

しかし、亡くなった元社員に裁量権は何%あったでしょう。

 f:id:travel_jarna:20161009085137p:plain

仕事をする場所を選ぶ裁量権を、全く与えられていません。

f:id:travel_jarna:20161009084420p:plain

深夜3:55より早く帰社する裁量権すら、与えられていません。これは裁量権ではなく、基本的人権(生存権)です。

f:id:travel_jarna:20161009085236p:plain

正社員とはいえ、オフィスに20時間拘束するのはダメです。外回り込みの20時間と、監視される20時間は全く違います。

f:id:travel_jarna:20161009085320p:plain

部下の上司につくということは、その人の裁量権を何割か奪うということです。人の人生は選択の繰り返しだとの言葉があります。生きることそのものを成す裁量権に制限を加える上司には、相当に高い人間性が要求されます。

ほとんどの「上司」が、人事権(部下の評価権)を背景に部下を「従わせている」だけです(「尊敬しているふり」などに早く気づいたら良い)。部署を移っても連絡が来るような、本来の上司を目指すべきです。

部下の裁量権は、奪ってはならない。

f:id:travel_jarna:20161009085401p:plain

年に1度銀座のレストランに行く程度のささやかな裁量権まで奪うのですか?信じがたい暴挙です。スタイリシュな奴隷制か?

f:id:travel_jarna:20161009130851p:plain

飲み会の幹事的なことを、負担が大きな新入社員にやらせたらダメです。5年目くらいの中堅がやりなさいよ。

裁量権の問題はもっと認識されるべき

f:id:travel_jarna:20161009134800j:plain

新入社員の裁量権は、ごく僅かです。企業や上司は、新入社員の残業時間に関して極小まで抑え込むべきです。新入社員は朝一番に出社し、上司が帰るまで帰れないなどという風潮は、もってのほかです。

裁量権が大きければ、残業の概念はないという風潮に賛同するわけではありませんが、「自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意志があれば、残業時間など関係ない」という、長谷川氏の発言自体は、間違っていないでしょう。ただし、営業マン、管理職(名ばかりも含む)、フランチャイズ店長に、際限のない残業時間を強いる風潮には、注意しなければなりません。

全ての会社員が、ゆとりを持って健康な精神・社会生活を送れる環境を作ることが、購買意欲を高め企業の利益にもつながっていくはずです。

www.jarna.jp

www.jarna.jp

www.jarna.jp