じゃーな!

「別な人」が作る社会に引導を渡す

障害者のクズのMVを見てみた感想~人間失格 / GOMESS~

「障害者のクズ」で知られるMVと、Enigma (エニグマ)のReturn To Innocenceをご存知ですか?これらは、私の音楽観を変えた2曲です。

Enigma (エニグマ)のReturn To Innocence

Love Devotion(愛すること、人に尽くすこと)

Feeling Emotion(感じ取れるもの、心の底から湧き上がるもの)

Don't be afraid to be weak(力を得られなくとも、恐れてはならない)

Don't be too proud to be strong(成功しても、自惚れてはならない)

Just look into Your heart my friend(心の声を聞くが良い、友よ)

That will be the Return To yourself(すると立ち還ることができる)

The Return To innocence(本来の自己自身へ)

※対訳筆者

 1994年、ドイツの音楽グループによる作品で、アイルランド 、ノルウェー、スウェーデンで1位を取りました。主題は上の歌詞のとおりです。

まだ力不足で、うまくいかない人。何かに邪魔をされて、うまくいかない人。少しだけ、うまくやりつつある人。人生やキャリアのあらゆる局面で、原点を忘れないために、何度でも聴き返したい内容です。

秀逸なのが、上の歌詞のあとにある、サビの表現方法です。Return To innocenceの概念を、歌詞なしで伝えきった技量には感服します。

GOMESSの人間失格

あれは10歳の冬か 初めてのパニック

頭の中で爆発 記憶を失うほんの数十秒

つかの間 車道の端っこで目が覚めれば

母さんの胸で泣いていた オレ以外ね

どうやらさっきまでは 公園で遊んで

突然奇声を発して暴れ回って死にかけたらしいじゃん

(中略)

chorus

普通じゃねえって 並外れてる

人が呼んでる 障害者のクズです

バカにしてる カモにしてる

あいつはアタマがイカレテル

My name is GOMESS! 人間じゃねえ

孤独の世界からいつも見てる

笑って怒って 人に紛れてもう19年

GOMESSは、発達障害を持つラッパーです。

「普通じゃねえって 並外れてる 人が呼んでる 障害者のクズです バカにしてる カモにしてる あいつはアタマがイカレテル My name is GOMESS! 人間じゃねえ……」

一寸のすきもない、力強い言葉が連ねられています。このフレーズより強い歌詞は、もう存在しないのではないでしょうか?

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この曲では、曲を外注するということを考えさせられました。多くの歌手は、作詞・作曲を専門家に依頼しています。

しかしそれは、音楽が生まれた時の姿から、大きく離れてしまっているのではないでしょうか? 世界に音楽がはじめて生まれたとき、それは自己のinnocenceを、自然発生的に、そのまま伝えるものであったはずです。

たとえシンガーソングライターであっても、未体験の内容をそれらしく書いて、歌う人が、多いのではないでしょうか?結局は、引用の一種です。多くのアーティストが、恋愛歌を書きますが、全てが自身の体験ではないでしょう。

見たことのない風景を描く風景画家は、ほとんど存在しません。体験していない風景を描いた歌詞は、どこか弱くなります。

「普通じゃねえって 並外れてる 人が呼んでる 障害者のクズです バカにしてる カモにしてる あいつはアタマがイカレテル My name is GOMESS! 人間じゃねえ……」

このような力強さが途切れない歌詞は、実体験なしには出てきません。

GOMESSの実力がもっとも出ているのが、一切編集がない上の映像です。平和公園にいた、関心のない来訪者を徐々に惹きつけていく様が圧巻です。

GOMESS LIVE IN HIROSHIMA (広島被曝70年 平和記念公園にて)

こちらは編集が入りますが、1分30秒までにGOMESSのinnocenceや表現力が、端的に明らかになっています。

作品は癒し系でも、アーティスト自身は格闘している

当ブログで何度か紹介している「OKAYU」は、癒し系の、毒がない音楽が特徴です。しかし、それを世に問うにあたっては、なかなかの苦労があるようです。

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上の記事と下のMVを比べてみると、興味深いかもしれません。 

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