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かつて旅館にあった懐かしいもの 甲府・湯村温泉

かつて旅館にあった懐かしいものを甲府・湯村温泉で見つけました

甲府・湯村温泉とは

甲府駅

山梨県甲府市は、年間約330万人の観光客が訪れる都市。

栄えている南口では、武田信玄像が出迎えます。武田信玄は、織田信長・徳川家康の連合軍を破ったこともある、名武将です。

甲府市北部

繁栄する甲府市ですが、甲府駅からバスで北へ向かうと、すぐに田舎町の風情が感じられ、山が迫ります。

湯村温泉

バスに10分も揺られれば、湯村温泉。甲府を訪ねるさいは、ぜひ覚えておきたい場所です。

ますます注目される湯村温泉

甲府城下町 戦国時代

戦国時代の甲府城下町の地図です。

三方を山に囲まれたうえに、両側を川が流れる、歴史通なら、誰しもが城を建てたくなる地形(笑) 武田氏が住んでいた平城は、現在は武田神社となっています。北側には、要害城、西側には湯村山城が建てられました。

実は、要害の積翠寺温泉にあった2つの宿(要害、坐忘庵)が、2017年に相次いで閉館となってしまいました。湯村山城のふもとにある湯村温泉の注目度は、がぜんアップしています。

湯村温泉 弘法湯にある、かつて旅館にあった懐かしいもの

湯村温泉 弘法湯

今回訪ねたのは、湯村温泉の弘法湯。かつて旅館にあった懐かしいものがたくさんそろう宿でした。

湯村温泉・弘法湯を楽天トラベルで見る

まず注目してほしいのは、歓迎の看板。最近の旅館では省略されることが多くなりましたが、1名にも関わらず、きちんと名前が書いてありました!(名前を宣伝してもしたかがないので、消してあります)

湯村温泉 弘法湯

また、少しマニアックですが、休館と新館を空中で結ぶ渡り廊下の構造も、古い旅館ならではです。

弘法湯

部屋はオーソドックス。障子の向こうはいまも多くの旅館で健在の広縁(ソファがあり景色が見えるスペース)です。

ご注目頂きたいのは、お茶。おかみさんが部屋まで案内してくれ、お茶も入れてくれました! 部屋まで案内してくれる旅館は、いまもそれなりにありますが、お茶まで入れてくれる旅館は、大衆旅館ではほぼなくなっています。

電気ポットではなく、魔法瓶。入れ替えの手間がかかるため、減ってきているものです。

お着きの菓子

お着きの菓子は、ゆべし。近年は甘いお菓子も増えており、少し懐かしい気がします。部屋のキーもオーソドックスなスタイル。

部屋に鏡付きの洗面台が付くことが多くなり、鏡台も省略が増えました。高級旅館では、鏡台にカバーもかけます。なお、弘法湯は、洗面台も付けられています。

テレビがコイン式じゃない! との声が聞こえてきそうですが、テレビはさすがに買い替えたようです。

※コイン式のテレビ … 100円入れると30分くらい映るテレビ。かつての旅館では主流だった。

古いテレビ

古い日立製のテレビは、廊下に置いてありました。

ファミコンボックス

このマシンは、自分も知りませんでしたが、調べると1986年に任天堂がリリースした業務用向けファミコンとのこと(ファミコンボックスという)。現在も稼働中で、かなりレアなもののようです。

夕食にはかつての定番・天ぷら

湯村温泉弘法の湯 夕食

夕食です。もちろん、昔ながらの部屋出し。部屋出しは、根強い人気があるため健在ですが、大衆的な旅館の通常プランでは珍しくなっています。桜肉(馬刺し)が出てきました。

旅館の人件費の上昇も部屋出し減少の要因か

天ぷら 旅館

取り上げたい料理が、天ぷらです。

普通では?と言われそうですが、最近、天ぷらを出す旅館はかなり減っています。それほど特別感がなくなった、温かいまま出すのは難しい、健康志向から好まない人が出てきた、辺りでしょうか?

 

話が少しそれますが、夕食時に飲み物の要不要を聞かれました。ここまでは、普通のことです。

お酒は飲まないので本音では要らないのですが、チップのようなものだと思っているのでウーロン茶を注文しました。しかし「ウーロン茶は準備できますけど、自販機によく冷えてますしもったいないですよ」とのことで、注文はスルー(笑) お付き合いの注文だと見抜かれたようです。

www.jarna.jp

先日宿泊した、伊豆熱川温泉の湯花満開(=楽天スーパーセールに参加中)では、部屋にメニューが置いてあるものの、夕食時には一切飲み物を勧められず驚きました。サービス面で最先端を行く旅館は、その辺の気遣いもあるようです。

売りに出されている旅館も

経営が立ち行かず売りに出ている旅館もある湯村温泉で、弘法湯が生き残っているのは、懐かしいモノを大切にしながら、サービス精神は最先端であるからかも知れません。 

旅館形態そのものも減ってきている

館内にも懐かしさが

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手書きの案内は、字体に懐かしさを感じます。

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かつては、部屋にお手洗いがない旅館も多かったので、共同のお手洗いがあります。

弘法湯では、各部屋にウオッシュトイレを完備しましたが、いまもそのまま残されていました。

物議をかもした1人1組のひな飾りが健在!

1人1組のひな飾り

湯村温泉・弘法湯のひな飾りは、合計3組! お子様1人につき1組のひな飾りがあります。

一般社団法人日本人形協会

出典:一般社団法人日本人形協会

先日、一般社団法人日本人形協会のひな人形を妹や子に引き継ぐのはNG?という広告が、物議をかもしました。協会側は、本来そういう伝統があるのだと説明していましたが、専門家の反論を受け、どことなく苦しい気がしていました。

しかし、湯村温泉には、1人に1組のひな飾りという習慣が、きちんと残っているとのこと。なお地区のひな祭りは、伝統的に4月3日とのことで、いまもまだ、飾ってあるはずです。

大浴場にも懐かしいもの

体重計 大浴場

大浴場には、懐かしい針式の体重計。それなりに見かけるような気もするかも知れませんが、やはり故障するようで、最近はほとんどデジタル式に入れ替わっています。

HOKUTOW(北東衝機工業株式会社/福島県)は、かつては国鉄にも納入した名門メーカーでしたが、いまは存続していません。

大浴場 カミソリ自販機

昔懐かしい、シャンプーとリンスの自販機。奥はカミソリの自販機です。いずれも備え付けになったため、販売は中止になっています。このタイプの自販機自体、とても価値があるものです。

本題からそれますが、湯村温泉・弘法湯は、凄まじい湯量でした! 5分くらいで湯舟のお湯が入れ替わると思います。

 

部屋の灰皿は、超大型(笑)

ひと部屋に喫煙者が何人もいた時代に合わせたもので、3人が同時に吸えるようになっています。

寝たばこ禁止の表示。かつては、旅館の廊下を歩きながら喫煙していた人がいたと推測されます。いまでは信じられない光景です。

冷蔵庫はもちろん例のやつ!

旅館 冷蔵庫 旧式

冷蔵庫はもちろん、旧式の例のやつ! 初めから飲み物が入っており、引き抜くと料金が発生します(自動課金式冷蔵庫)。

旅館の旧式冷蔵庫 引き抜くと課金

ビールが5本入っていました。なお、ご存知の方も多いと思いますが、ジュースは基本的にはオレンジジュースを指します。

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画像:楽天市場より

これかな?

持ち込んだお茶なども、軽く置く感じにすれば、入れることができます。この記事を書いているときに、お茶を入れ忘れてきたことに気づきました。冷蔵庫内、コンセント周りは、旅館の忘れ物の定番なのでご注意ください! 

自動課金式冷蔵庫がなくなりつつあるのは、装置が壊れやすいうえに、補充が大変なことが背景にあるようです。持ち込み自由の宿も増え、機械の更新がされなくなったのでしょう。飲み物を用意している高級ホテルでも、伝票による自己申請方式が大半です。

フードケース

冷蔵庫の上には、古い旅館でごくまれに見かけるもの! なんと呼ぶか知っていますか?

※正解はこのあとにあります。

朝食も昔ながら

朝食も昔ながら。納豆がないのはたまたま在庫の関係で、普段は出しているようです。ただし、シニアにはあまり出さないとのこと。あまり人気がなく、常備薬との相性を機にする人が多いそうです。

意外かもしれませんが、大学生の運動部の合宿などを迎え入れた場合、必ず納豆を出し、しかも大好評とのこと。納豆がない旅館があったとしたら、若者に好まれないからではなく、シニアに好まれないことが背景にあるのかもしれません。

なお、生卵は衛生上の理由で、最近は出せなくなったとのこと。

 大切に使われている、味付けのり専用のケース。

 箸袋の裏に民謡。このパターンも、最近は減ってきていると思います。

(正解:フードケース)

さいごに湯村温泉を少し紹介

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湯村温泉は、江戸後期の葛飾北斎の絵に見られるように、江戸時代には存在していた温泉です。太宰治、井伏鱒二、松本清張らが執筆の場として訪ねており、とくに太宰治ゆかりの場所を見かけます。

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宿は大手が、 県道沿いにある常盤ホテル、甲府富士屋ホテルです。

いずれも非常に格式高い宿ですが、2018年に、昭和天皇も利用した常盤ホテルは経営に行き詰まり運営会社が変わり、甲府富士屋ホテルも身売りを発表しました(湯村温泉  甲府記念日ホテルに改称予定)。甲府は、出張需要が多く、甲府駅から離れた湯村温泉で大型の施設を維持して行くのは、なかなかに厳しいようです。

中小で口コミ評価が高いのは、弘法湯、旅館明治、そしてビジネスユースを意識したのある湯村ホテルです。以上5館なら間違いがないでしょう。

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湯村温泉には、神社1つ、お寺2つがありますが、観光向けは塩澤寺です。本堂を背にすると、右手に南アルプスの山々、左手に富士山が見えます。

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塩澤寺です。ほかは、興味があれば旅館の立ち寄り湯めぐりもできます。共同浴場は、かつてはありましたが、現在は営業を休止しています(少し離れた場所の喜久乃湯温泉は、太宰治が通った銭湯)。

以上、かつて旅館にあった懐かしいもの 甲府・湯村温泉でした。もしほかに、かつて旅館にあった懐かしいものを思いつかれた方は、はてなブックマークやコメントで教えて頂ければ幸いです。探してきます。

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