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キャンピングカーを降りたやぎろぐ

若手人気ブロガーのやぎろぐ(やぎぺー)氏が、大学卒業後の売り文句だった、キャンピングカー生活をあっさり辞めてしまいました(2016年10月)。この1件で彼が、ビジネスマンとして失ったものと得たものを考えてみます。

www.jimpei.net

やぎろぐと「キャンピング生活がインフラただ乗り」とする批判

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キャンピングカー生活にしては、公共のスペースの使用、水道の使用など「生活インフラへのただ乗り」との強い批判が、やぎろぐ(やぎぺー)氏に対して起きました。確かに、多数の人がいますぐ一斉にキャンピングカー暮らしを始めれば、いろいろな問題が発生するのは分かります。

しかし、インターネット経由で仕事をやり取りする人が増えているなか、今後はこういう暮らし方も、十分選択肢になるのではないでしょうか? 基盤が整えば、家を持たず、キャンピングカーや民泊等で移動しながらという生き方が生まれてくるはずです。

新しい働き方の可能性を潰した「キャンピングカー批判」

私自身、年に100日ほど、関東甲信越のあちこちを訪問する仕事をしています。仲介のエージェントとはメールでやり取りするだけですので、キャンピングカー暮らしは不可能ではありません。

健康上長期間は難しいですが、不定期に1週間くらいならば、やってみたい気はします。いろいろな地方を訪ねて、名物を食べ、地元の人と対話してみたいのです。

今後、キャンピングカーが広まれば、宿泊する場所や、光熱費・上下水・ゴミ関係の処理等を、1日単位で納税、納金するルールができていくはずです。まず、キャンピングカー生活をする人が増え、ある意味ではトラブルが起きないと、物事は前に進みません。そのサキバライ(=行列の1番前で色々で整理する人)を、やぎろぐがやろうとした矢先の、重箱の隅をつつくような批判は、余りにも微視的だったと言えます。

キャンピングカーのインフラ普及にはサキバライ役が必要

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今後、働き方改革が進めば、キャンピングカーはより多く利用されるはず。現在は、休暇の多い金持ちの道楽のようなところがありますが、今後は違ってくるはずです。そして、キャンピングカーの発展のために欠かせない、サキバライ役として、やぎろぐ(やぎぺー)氏は適任でした。

ブロガーとして顔が広いため、あちこちをふらふらしても泊めてくれる協力者がいるので、合法的な場所を足がかりに移動することは、不可能ではありませんでした。地方には、都会の人の想像以上に土地に余力があります。都市部のようなひっ迫した状況ではありません。また、人の揚げ足を取るような人間も、決して多くないでしょう。

やぎろぐ氏が燃料を買えば、地方では閉鎖が相次ぐガソリンスタンドへ、わずかですがお金が落ちます。ゴミの問題は、とにかく協力者が多いので、一般家庭で引き受けを承諾してくれるところもあったでしょう。少なくともウチに来たら、ゴミぐらいは受けつけます。

キャンピングカーとトイレの問題はコンビニが解決

キャンピングカー生活とトイレ利用の問題も指摘されました。しかし長期旅行者も、公衆トイレを利用しますので、キャンピングカー利用者がすぐさま問題だとは言えません。同じ場所のトイレ利用を数回までに控えれば、問題ではないですし、古き良き慣習としてトイレを借りた店で何かを買う手もあります。

よく考えれば、セブンイレブンはトイレを貸してくれます。もう、ほとんど解決ではないでしょうか? やぎろぐ氏は、セブンでトイレを借りるたびに、好物だという丸から(60円)を買えばよいです。

水道については、旅行客なみに、小さなペットボトル1本分くらいなら公園のものを使ってよいでしょう。ほかは、ペットボトルの水を買えば、小さいながらも地方のお店に貢献できます。

ホームレスとは異なるやぎろぐの発信力

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やぎろぐ(やぎぺー)氏が、貧しい状態でキャンピングカーを始めたのなら、いろいろ軋轢(あつれき)はあったかもしれませんが、そうではないので、指摘されたほどの問題はないのです。

むしろ、やぎろぐの拡散力に期待して、訪ねて欲しいと申し出る、地方のお店や観光地が続出するのは時間の問題で、「地方の広告塔役」のビジネスモデルの成功がもう見えてしまっていました。例えば、年に48の地域からオファーを受ければ、1週間ずつ滞在して1年間取材漬けの生活も可能です。

新卒フリーランスというは確かに無謀だし、新卒の特権を無駄にしてしまう点、もったいないかもしれません。しかし、卒業の月にブログでサラリーマン以上の月収を稼ぎ、こういった「ビジネスモデルの芽」を構想できていたのは、並の22歳ではないと認めざるをえないのではないでしょうか。キャンピングカー批判に同調した人たちは、もう少し広い視野で起きていることと今後を、確認すべきであったでしょう。

やぎろぐ氏は、コミュニケーション力が薄いし、1人の時間も好きだと自認しています。そのような人物は、内的思考の時間が長いため、思考が標準化せず、意外な方向に深まる場合も多いです。それが人文系でなく社会系に向いた場合、今後、事業者として鋭い観点を持つ可能性は捨てきれません。新卒の特権は捨てたかもしれませんが、経営者なら間違いなく、彼の経験値を見てゆくでしょう。

やぎろぐがキャンピングカーを降りて失ったもの

かのように、様々な可能性があったキャンピングカー生活の事業ですが、車の運転の問題や、煩雑な事項の多さ、常に人とコミュニケーションが発生する、こういった事情から4ヶ月半で断念となってしまいました。しかし、4ヶ月半で、多くのキャンピングカー関連の仕事が舞い込んだとのこと。もう少し続けていれば、地方振興関係の案件で入れ食い状態だったはずで、やぎろぐ氏は、ちょっと惜しいことをしました。

多少気になるのが、4ヶ月半という中途半端な履歴。キャリアというのは、例えばラーメン店主5年!のような、切りが良い明快さが必要ですので、半年は続けて欲しかったです。

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