政府や経済界で、個人消費を喚起するため、月末の金曜は午後3時に仕事を終え、夕方を買い物や旅行などに充てる「プレミアムフライデー」構想が検討課題に浮上していることが12日、分かった。
http://www.sankei.com/economy/news/160812/ecn1608120033-n1.html
政府が月末の金曜の午後3時からお休みにしてよいとさ。定時が午後5時か6時だとしてわずか2~3時間のお休み。もし上手くいっても、夕方からどこも混み始めることになり、健康的とは思えませんねえ。そもそも3時間程度なら、各自が好きな曜日に自由に取れるようにすればよろしい。すると、本当に休んでいるかウヤムヤになってしまうから、効率良く管理できる強制一斉休みだとの言い分なのかねえ?
そもそも経営サイドから見れば、正社員を金曜日に休ませた分は、他の曜日の残業や休日出勤に回すだけ。多くの正社員はトータルの仕事量で管理されているから、仕事の総量を減らさない限り総労働時間は変わらない。さらに消費者向けのモノやサービスを扱っている企業の経営者からすれば、月末の金曜日に消費者が大挙して買い物や旅行に出ればウヒヒとなるだけ。プレミアムフライデーは、企業経営者から見れば、3時間分の労働を他の曜日の残業にシフトさせれば良いだけだし、あわよくば月末の自社製品の売り上げも伸びウヒヒ。労働者から見れば、資本家たちがこっそりと引き込んだムードに絡め取られ、財布から金を抜かれ、木曜夜にせっせと残業するか土曜に休日出勤することになるだけ(労働強化)。
そもそも労働者を本当に休ませたいなら、トータルの労働時間をより厳格に規制すればよいだけのこと(労働基準法の運用強化)。プレミアムフライデーとか言って、労働時間が減らないのに休みが増えたようなムードを作っている場合でもないし、労働者はそれに踊っている場合でもない。
もとより労働基準監督署は、あまり無茶すると取り締まれますよ〜と構えているだけの存在で、よほど悪質でなければ先手を打って各企業を調査し労働者を救済することはない(ワタミの自殺の際に、責任感に苛まれた監督署員はどのくらいいますか?)。まるで眠り猫だ。日光にある眠り猫は、眠っているがいつでも庶民のために飛び出せるぞという平時の徳川家康を象徴している。労働基準監督署もそんなところ(ほとんど寝ている)。労働基準監督署にかかれば、人がすくのおて内部告発に頼るしかないんだわ、とか言ってきそうだが、では何のために政府はマイナンバーを導入したのか?スマホにマイナンバーでログインしておけば、自宅や会社の最寄駅などでGPSを管理し、勤務時間を自動記録させるようにすればよい。それを集約してアルゴリズムに判断させれば、どの会社が違法な働かせ方をしているか一目瞭然。そのデータを自動公表するだけでも人材募集の力関係からホワイト化が進む。監督署員いらず。
プレミアムフライデーは別にやりたきゃどうぞだけど、どう転んでも会社の経営陣が損をせず労働者にしわ寄せがいくような仕組みを発動させるくらいなら、悪名高きマイナンバーを正しい方向で使ってはどうですか?