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google提唱のマイクロモーメントがやっべー事例

googleの提唱するマイクロモーメントが、ビジネスや起業の分野で注目されています。この記事では、独立事業者が実際の事例をもとに、マイクロモーメントに関して、コピペでない、リアルな情報や活用法をお届けします。

google提唱のマイクロモーメントとは?

マイクロモーメントとは、簡単に言えば、人が何かに強い興味を持ち、スマートフォンを開き、どの行動に踏み出すかを決意する瞬間です。

ある中年のビジネスマンが、家具店のニトリで、自宅の書斎用の椅子を探しています。最近、長く座ると疲れてしまうからです。以前なら、店員や詳しい人に聞く、雑誌記事を読む、数店を回って座って確かめるといった、長い時間が決断には必要でした。

しかし、いまはスマートフォンを使い、一瞬で行動が決まります。

「ニトリの安い椅子を買うなら、少しお金を出して、◯◯チェアの中古を買え」という記事が検索にヒットします。そのビジネスマンがピンときた場合、一瞬でニトリの椅子への興味は失われ、ニトリの努力は全て水疱と化します。

マイクロモーメントを制する企業や起業家が、つぎの消費を制するとGoogleは言いたいのです。実店舗、テレビ、新聞、雑誌、著名専門家の時代が終わり、スマホがほぼ全てを取り仕切るのです。

googleはマイクロモーメントをどう説明している?

www.thinkwithgoogle.com

googleが提唱するマイクロモーメントを、正確に知っておきたい。googleは、マイクロモーメントの説明ページを、次のような言葉で語り始めます。

Mobile has forever changed the way we live, and it’s forever changed what we expect of brands. It’s fractured the consumer journey into hundreds of real-time, intent-driven micro-moments. Each one is a critical opportunity for brands to shape our decisions and preferences.

[意訳]モバイルは、我々の生活や、企業・起業家にしてほしいことを完全に変えました。モバイルにより、商品購入までの、のんびりとした長い検討時間はズタズタにされ、短くも強い意志を伴う無数の「マイクロモーメント」に変化しているのです! この無数のマイクロモーメントは、企業や起業家が、消費者の好き嫌いや選択を方向づけるための、決定的な機会となっています。

従来の広告やPR活動は無駄だらけ/マイクロモーメント

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これまで、企業や起業家は、テレビ、新聞、雑誌を通じて、不特定多数の消費者の不特定多数の時間をターゲットに、無関心のまま読まれたり、あるいは読まれなかったり、気づかれなかったりする広告を打ってきました。

例えば、あなたが料理本『酒粕の意外なレシピ!』を執筆し、小さな広告を出すとします。朝日新聞のテレビ欄の、87万円の広告枠を選びます。これで、全国の10%もの世帯に届きます。このように、広告の営業マンは言うはずですが……。

実際には

  • 押し紙として、新聞販売店に積まれたまま。
  • 新聞はつき合いで取っているが、ほとんど開かない人。

  • テレビ欄を見たが、見たい番組の内容を確認しただけで、広告に気づかない人。
  • 広告をちらりと見たが、酒粕に興味がない人。

  • 広告をちらりと見たが、料理に興味がない人。

  • 酒粕にも料理にも興味があるが、いまはその気がない人。
  • その他、数え切れないほど多くの忙しい人!

このように、テレビ、新聞、雑誌を通じた広告はかなりの無駄が発生しています。これは、空に向けて銃を乱射し、鳥に当たれば儲けものというよな、恐ろしく無駄がある戦略です。

マイクロモーメントは、正しい「狩り」の仕方

Micro...

空に向けて銃を乱射し、鳥に当たれば儲けもの。

これが、従来の広告でした。消費者の頭の中で、いつどこで対象への興味がわくかは、誰も知ることができないので、仕方のないことでした。企業としては、少しでも多くの広告を打ち、たまたま当たるのを待つのが当たり前。単純に広報費が多い会社が有利でした。良いものを作っても、中小企業には出番がない、まして個人の起業家はもっと苦しい位置にいました。

しかし、近年は、消費者の頭の中で、いつどこで対象への興味がわくかどうかが分かるようになりました。それが検索です。

あなたが料理本『酒粕の意外なレシピ!』を売りたいのなら、例えば「酒粕 余った」「酒粕 活用法」「酒粕 レシピ」のような検索を、まさに今している人に絞って、広告を届ければ良いのです。新聞に比べ、何百倍の効果があるでしょうか? これがマイクロモーメントです。

語弊がありますが、マイクロモーメントを知ることは、正しい狩りの仕方を知るようなものです。正しい収穫方法を知っていれば、PRの効率が良くなり、ものづくりや品質に専心することも十分可能になります。

マイクロモーメントを知ることは、生活体験を知ること

では、消費者、ユーザー、読者のマイクロモーメントを知るためには、どのような方法があるのでしょうか?

マイクロモーメントを正確に知るためには、消費者、ユーザー、読者の「生活体験」を深く理解するという概念が、とても重要です。簡単にいえば、自分のビジネスのユーザーが、どのような思い、悩み、欲求を抱きながら1日を送っているかを、なるべく精密にイメージするということです。

私事ですが、昨日(8月6日)、以前に制作したサイトの転職関係の記事に、大きな異常がありました。アクセス数はいつも通りなのですが、アドセンス(広告)の収益がいきなり10倍! なぜだったのでしょうか?

これは恐らく、そろそろ夏休みに入る会社員が、転職を検討しているというマイクロモーメントでしょう。タイミング的に少し早い気もしましたが、8月6日から11連休となる企業もあるようです。夏休みに入り一息つき、先々のことを考える時間を取ったのでしょうか。また、新入社員が退職や転職を考える時期だった可能性もあります。

このように、普段から自分に関わる消費者、ユーザー、読者の「生活体験」に関心を持ち、実際の検索傾向などにヒントを得て、さらに深く理解してゆくことが大切です。例えば、ある鳥の1日を深く理解すればするほど、彼らがいつ川辺に水を飲みに現れるかは分かってしまうもの。捕まえるのは、簡単です。もう、莫大な費用をかけて、空に向けて銃を乱射する必要はないのです。

私は、生活体験をつかむことの重要性を、以前から知っていました。しかし、googleによるマイクロモーメントの提唱により、ざっくりと生活体験をつかむというレベルではなく、より精密に人の気持ちの機微をつかみ、タイミングに合った過不足ない情報提供をすることが必要だと理解できました。

ある高校教諭が気づいたマイクロモーメント

マイクロモーメントの理念を、興味深い角度から説明した人がいます。

私は、広告代理店勤務時代、ある高校に進路関係の無料冊子を持参したことがあります。そのとき、進路担当の高校教諭が言った、次の言葉が印象に残っています。

「情報提供はありがたいが、あいつらは喉が渇かないと、水は飲まないからね」

これは、突き詰めればマイクロモーメントの理念を指しているでしょう。高校生は主に3年生の1学期に進路を決める。このような、ざっくりした統計に基づいて乱造される、総花的な進路冊子はいまやゴミでしかありません。実際に年度末に紙ゴミとして処分されるか、広告代理店が回収に回っています。高校教諭は、職業上マイクロモーメントの概念に興味を持っていた訳ではありませんが、職業のなかで、マイクロモーメントの本質を言い当てたです。。

教育業界ではいま「アクティブラーニング」がキーワードとなっています。ディスカッション型の学習だとイメージされています。しかし、アクティブラーニングの本質は、ディスカッションではなく、生徒の脳内を活性化し主体を起動させることだと認識し直すことが必要です。脳内を活性化し主体性を促しつつ、受講者にマイクロモーメント(I-want-to-know moments)を創出し、ちょうどそのタイミングでコンパクトな発話(=情報提供)を行う。このように考えることができます。

また、日常で上手なコミュニケーション(伝達)を取る人は、一方的にダラダラ説明するのではなく、まず相手方にマイクロモーメント(I-want-to-know moments)を創出することに注力しています。次に、要点だけ短く発話。言葉を機関銃のように乱発するのでなく、十分に準備をして一撃で伝えきるのです。

ビジネスの本質どころか、教育やコミュニケーションの本質を射抜いたのが、Googleのマイクロモーメントなのです。

Googleにはかないまへんな。やっべー、やっべー。

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