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社畜で過労死するぐらいなら独立すればいい

社畜とは、雇用契約が切れるまで会社のために尽くすべき存在であって、過労死してしまったら、もはや社畜ですらないのだが……。

社畜で過労死するぐらいなら独立すればいい

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社畜を続け、過労死するぐらいなら独立したほうがいいよ!その方法は簡単!まずはメアドを登録してね!

電通の過労死のような悲惨な事件が起こると、それを契機に、独立事業者へと甘い誘いをかける者が増える。人気ブロガー・イケハヤ氏もそうするだろうし、ネットの裏側で暗躍している匿名の情報商材販売者は、よりダイレクトにネットビジネスへの誘いをかけるはずだ。

社畜で過労死するぐらいなら独立すればいい。それは、本当なのだろうか?

私は、ブラック企業(広告代理店)から、ブラック企業(教育業界)に転職し、その後独立した。1社目は、0時以降の残業や休日出勤もちょくちょくあったが、20代だったので体力があり、適当に息抜きし「グレー企業くらい」と周りには説明していた。また、ブラック耐性をつけて転職した2社目は「どちらかというとホワイト」だと感じていたが、高確率でうつ病患者が出ていたため、一般的基準から見ればブラックに属するかもしれない。その後、独立し現在2年目である。

確かに、通勤ラッシュ、残業の概念はなく、仕事内容も、起きる時間も、すべて自由にはなった。だが、社畜で過労死するぐらいなら独立すればいい、と私は人に言うだろうか?

ネット事業と農業について

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写真:埼玉県鴻巣市

会社員を辞めて独立するとなら、いずれかの業界を選ぶこととなるが、現状での選択肢は、主にインターネット事業(ブログ、サイト運営等)か農業しかないのではないだろうか。

理由は簡単で、日本が独占資本主義体制だからである。大半の「お金がなる木」は大企業が所有しており、個人では初期投資の段階のハードルが高すぎる。現在の日本では、携帯電話会社が勝ち組だが、個人でゼロから通信網を整備するのは、まず無理。格安スマホ会社だとしても、大手に広告や店舗網で対抗するだけの資本がなければ無理ゲーだ。

一方、インターネット事業は、原資として月1000円程度のサーバー代が目につく程度で、格安。自宅やカフェをオフィスにできる。事業の成否を握るgoogle検索システムが、大企業優先ではなく内容(コンテンツ)重視であることも、大きい。一方農業は、人口密集地に居を構える必要がなく、山奥の平地でも十分に事業になる。爆発的な利益を出すのが難しいため、大企業が手を出して来ないのも、個人事業者向けだ。

しかし、ほかにあるだろうか?つまり、会社員を辞めて独立すると言っても、日本の経済体制から、個人が選べる選択肢は主に2つ程度しかない。その選択肢に強い関心と適性があれば、独立しても良いと思うが、全く畑違いの分野から、「誰でもスマホだけで月に30万円の収入に!」といったキャッチコピーに誘われてしても、財布から合法的に万札を10枚ほど抜かれて終わりである。

※なお、個人経営の余地が若干残されている飲食関係も考えられるが、大手の参入度が高く失敗率は相当高い。それならば、設備投資の小さな少量生産の工芸デザインが有利。また、海外に視野を広げれば広がりはある。例えば、美容師は国内ではブラックだが、アメリカに渡れば、その技術から成功する可能性が高いと言われる。飲食関係も海外に視野を広めるべきである。

独立事業(ネット事業)の成功率と適性

独立するにあたっては、 インターネット事業や農業などへの適性が必要と書いた。しかし、仮に適性があっても、成功率を気にする必要がある。ここではインターネット事業について、書いてみたい。

インターネット事業で成功する確率に関して、正確な数字は存在しない。まず定義が難しい。例えば、私は現在、インターネット事業だけでなく、請負事業(学生にキャリアや文章の書き方に関して講話する仕事)からの収入もあり、インターネット事業で生計が成り立っている部類に入れていいのか、疑問がある。

各方面の話を総合すると、インターネット事業で成功する(=インターネット事業を軸に生計が成り立つ程度とする)確率は、5%程度ではないだろうか。私見だが、その適性や条件については、以下の3点がある。

① 異常なほどの根性があること

② 文章またはプログラミング言語が苦手ではないこと

③ 2年間専念できること

異常なほどの根性

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写真:山梨県身延山

インターネット事業の、初期の収益は恐ろしく低い。やり方にもよるが、よく普及しているワードプレスというライティングソフトを使ってサイトを運営する場合、初月は1日12時間働いて、日収は10円から50円程度となろう。

初期の頃、1日の収入が数十円の身分で、1時間に1000円近く稼ぐ学生相手に、「キャリア」の説明をするのは、大変辛かった思い出がある。それでも継続できたのは、公務員や会社員しか経験がない者では、本質的にはキャリアの話はできない。1度は個人でも成功しなければという、主観的なこだわりがあったからだ。

実は、事業を始めた人間が、1日10円から50円程度の収入になるのは当然のことで、大赤字にならないだけマシなのである。この当然のことが理解できない背景には、新卒社員が、会社に下駄を履かされ、20万近い月給を手にしていることにある。もし完全成果制の会社に勤めれば、経験がない初年度の給与は限りなくゼロに近づくはずだ。つまり、会社員(特に正社員)の待遇を経験してしまった者が、独立事業を継続していくには、簡単に言えば、異常なほどの根性が必要になる。

この根性の背景には、個人的な将来像があっても良いし、二度と会社員には戻りたくないという思いがあってもいいし、俺ができないはずがないという根拠のないプライドがあってもいい。要するに、モチベーションは何でも良いので、異常なほどの根性をコンスタントに発揮できる必要がある。95%の人が、収益の低さや度重なる失敗と直面し、継続できずにギブアップしているのが現状だ。異常なほどの根性は、ただただ継続すること、と言い換えても良い。

文章またはプログラミング言語が苦手ではないこと

インターネットの文章は、通常の文章と少し異なる。そのため、それまでの人生で文章が得意であったり、好きであったりする必要はない。しかし、「文章の書けない女子高生でも、スマホをタップするだけで稼げた」というようなコピーは嘘である。2010年頃なら、500字程度で検索上位表示された記事も多くあったようだが、今は数千字程度のボリュームは必要だ(Yahoo!と組んでアクセスを流してもらう、大メディア、あれは別物)。数千字の記事を2時間程度で書くことに、躊躇(ちゅうちょ)がない程度の文章力は必要である。

なお、インターネット事業では、プログラミングの方向で独立事業を行っている、理系の人材も見かけるが、専門ではないので言及しない。

www.jarna.jp

2年間専念できること

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年中無休で1日12時間ブログを書くことを2年間続けられるなら、まったくの素人からでも、割と高い確率で独立は可能。

これは、大手個人ブロガーのイケハヤ氏の発言。かなり正確な数字でしょう。私自身も、2014年8月から専業に近い形でインターネット事業を始め、もう大丈夫だと感じたのは、一時的にですが前社の月収を超えた2016年の8月でした。

会社員を継続しながら、インターネット事業を始める人も多くいます。その流れで成功する人もいますが、数えるほどです。非常に文章に個性がある人が、王道(ワードプレス)以外の方法で成功しているケースが大半であり、これを典型例だと思うと大きな怪我をします。1日10円から50円程度の収入から始め、長い長い試行錯誤と度重なる挫折を経て、正社員の月収にたどり着くことを目指していくのですから、正社員と並行してというスタイルでの成功は、かなり困難です。インターネットとはいえ、店舗や会社を形成する個人事業と枠組みは同じであると考えれば、ニ足のわらじの困難さは、理解できるでしょう。

また、事業で収益が出なくても、月末に月給が入るという状況が、実はかなりマイナスに働きます。例えば、1週間かけて作成してきた記事が、ほとんど評価されず無に帰し、非常に落ち込むとします。このとき、独立事業者なら、翌朝、開き直って平気で別の作業を開始します。月給がないので、落ち込んでいるひまがないからです(落ち込んでいると、死にます)。正社員と並行してというスタイルの場合、1日の作業時間が少なく、かつ逃げ道があるというマイナスから、成功までに10年近くかかる恐れもあります。

※ただし、諸般の事情で会社を辞められないという方もいるかと思います。その場合、何があっても絶対に減速しない根性があれば、可能性はゼロではないと思います。

「社畜で過労死するぐらいなら独立すればいい」の発信主は誰か

社畜で過労死するぐらいなら独立すればいい。

このように発信する人が、何か教材を売ろうとしている人ではないか、よく見極める必要があります。教材を販売するなら、購入を思いとどまらせるような、無駄な但し書きはつけません。

しかし、客観的に述べるなら、独立する前に、以下の条件を考慮する必要があります。

・インターネット事業(文章を書く、情報を整理する)や農業への適性は高いかどうか。

・異常なほどの根性があるか

・文章またはプログラミング言語が苦手ではないか

・2年間専念できるか

何歳で独立すればよいのか

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最後に、 何歳で独立すればよいのかについて説明します。

インターネットにおいては、過去には、専門性や独自性がなくても、調べて書くという程度で事業が成立した時代もあります。競合するサイトが少なかったからです。また、この時代は、内容よりもリンクを送るなどの、表面的な技術に比重がかかっていたこともあり、専門性や独自性は二の次でした。

しかし、2014頃にgoogleの技術の進歩があり、専門性や独自性が強いコンテンツの方が、評価を集めるようになっています。したがって、今後インターネット事業で独立を考えるなら、会社員経験があった方が有利です。

私自身も、前に所属していた2社での経験値から記事を書くことも多く、その場合、リサーチの必要がほとんどなく、短時間で仕上がり、評価も高くなる傾向があるのでとても楽です。

私見ですが、最低でも5年ずつ2社勤めたあと、32歳ぐらいで独立するのが良いと思います。あるいは、7年ずつ2社の勤務後の36歳ぐらいも良いタイミングだと思います。もちろん40歳でも、50歳でも構いませんが、軌道に乗せるまでの初動の時期に、30代の体力を投資できる点が魅力です。

www.jimpei.net

最近は、「新卒フリーランス」という選択肢も出てきています。しかしながら、正社員経験やそこで得た知識がない状態でのブログ運営は、非常に大変で、正社員経験者よりも、成功率はやや落ちると思います。やぎろぐ氏の場合は、大学在学中はヒッチハイク、卒業後はキャンピングカー生活など、経験を得ながら同時に発信することで成功しています。そのため、一概に、経験してから発信せよが、正しいわけではありません。しかし、やぎログ氏は、国語が日本一難しいと言われる早大を出ており、基本的な文章力があります。

新卒フリーランスの肩書きそのものが、売りになる面もあります。しかし、後続が何人も出てきており、飽和していくと厳しい面もあります。新卒フリーランスで成功するには、基礎学力と客観性に裏打ちされた個性が、ある程度カギを握るでしょう。経験から独自の(個性)法則を得て、それを多くの人が(客観性)役立つと感じるように文章化(基礎学力)していく能力が求められるからです。

ベーシックインカム

会社を辞める際に、2年間の低収入に耐えるために、次のような条件が必要です。全てでなくても良いです。

① 120万円の生活費(1年目、月10万。多すぎると甘えにつながるので、この程度が丁度よい)

② 60万円程度の予備費(独立1年目には、最後の会社員時代の年収で計算される、健康保険、地方税の負担は尋常ではない。年金は後納も可能)

③ クレジットカード等2枚(信用が高い会社員時代につくる)

④ ベーシックインカムの確保(できれば前職の流れで業務委託等をもらうが、短時間のアルバイト、アウトソーシングのライター等も選択肢)

⑤ 実家に居候

私は、②③④で2年間を耐え抜きました。クレジットカードの利用可能額は、150万程度がベストです。150万円までの赤字なら破産しないという、精神的な支えになります。枠が大きすぎると甘えにつながります。クレジットカードは2枚でも良いですが、予備に1枚用意し、それは使わない形がおすすめです。

会社を辞め独立する前に確認したい条件

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① インターネット事業か農業(または工芸等)に興味があること

② 異常なほどの根性があること

以下、ネット事業の場合 

③ 文章またはプログラミング言語が苦手ではないこと

④ 2年間専念できること

⑤ 2社10年以上の経験値(1社10年でもよい)

⑥ 120万円の生活費

⑦ 60万円程度の予備費

⑧ クレジットカード2枚

⑨ ベーシックインカムの確保

⑩ 実家に居候

以上が会社を辞め独立する前に確認したい10条件です。物理的条件が9、精神的な条件が1つ(異常なほどの根性があること)となりました。

精神的な面がやや薄くなりましたので、3行の補足を入れます。

・異常なほどの根性があること

・喜怒哀楽の波が激しくないこと

・前向きで大雑把な精神構造

根性に関しては、文字通り根性があることです。

別の角度から言えば、喜怒哀楽の波が激しくない人も強いです。どちらかといえば無表情と言われたことがあるような人です。失敗した際の耐性が強く、継続できるため、周囲からは「根性持ち」と認識されていることもあります。

前向きで大雑把な精神構造も、あると助けになります。一言で言えば心理学の「合理化」の精神です。記事が思うようにgoogleに評価されず、大量の時間を費やして浪費に終わることがあります。そのときに、勉強になったから良い、また再利用するから良いと言ってのける、しぶといメンタルです。前向きで大雑把な精神構造を持つ人も、周りからは、根性がある人と認識されていることもあります。失敗に強く継続力が高いからです。

根性、冷静、前向きで大雑把は、通底する精神構造です。有名な成功者も、この精神構造を持っていることがよくあります。もしあなたが、会社の仕事や独立事業で行き詰まったときには、思い出して頂けると幸いです。この記事の要点はここに尽きます。

会社員か独立事業かということも大切ですが、皆様が健康な社会・精神生活を取り戻すことを願っております。拙記事が、その一助となれば幸甚です。

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