(^^)/「女子高生アイドルが東大生を倒した武器『グルグル思考』が世界を変えていく」なる記事がソーシャルで回ってきました。6ページ8024文字の記事を思わず読んでしまい貴重な朝の15分間を無駄にしてしまいました。
すぐ気づく壮大過ぎる釣り仕掛け
タイトル見て釣りの臭いにて気づきますよね……。(私もたまに釣りしますが)
(1)女子高生アイドルは頭が悪い(潜在的偏見)
(2)東大生いい気になんな、負けろ(潜在的な願望)
(3)写真の女子高生が可愛く、男性読者の〇欲を刺激しとる。
さらにこのサイトのデフォとして「海外メディア」をちらつかせ、海外の権威に弱い日本人的思考を刺激。うますぎです。これはかなり釣れるのではないでしょうか?6ページにわたる冗長な文章を読み進めると番宣&書籍宣伝と気づくのですが、タイトル周辺からは読み取れない用意周到さ。強力な相手です。
6ページに渡る記事の結論
出典:冒頭記事から
時間のない方のために引用記事の要旨。
✔ 現代社会は答え、情報、成果をすぐに手に入れたがる傾向があるが、筆者はかねがね疑問を持っていた。
✔ NHK番組『すイエんサー』では「バースデーケーキのロウソクの火を一息だけで消したい!」のような「どうでもいい」テーマを女子高生アイドルに長考させ、解けるまで「かえれまテン」形式で考える過程を見せる(しかしヒントが出され、運動して二酸化炭素を吐けば良いという「ひとつの答え」に誘導される)。
✔ 女子高生アイドルは東大生など国立大生に対決で勝つ。しかし6ページもあるのに対決の中身は全く示されない(詳しくは番組か本を見てね!ということ。実際には運要素が強い勝負で、勝率は5割程度)
この記事の結論
私は以下のように思いました。✔ 効率重視批判は現代思想が再三行ってきており、昔も今も科学者は常に一見無駄な「グルグル思考」を繰り返しつつ仮説を検証してきている。
✔ 答えは現代社会において本当にもっとも大事なことなのだろうかと問題提起しながら、答えが1つしかない課題を提示している。
いつもここから
出典:TBSテレビ「笑いの王者が大集結!ドリーム東西ネタ合戦」の「いつもここから」。
いつもここからの定番ネタを下敷きにした記事ですので、お忘れの場合は動画検索をされることをおすすめします。
こんにゃろうめ!
だが、へそ曲がりの筆者は、「情報」「結果」「成果」「答え」といったものが、現代社会において本当にもっとも大事なことなのだろうか、という疑問を常に持ち続けてきた。
こんにゃろうめ!情報、結果、成果がもっとも大事なことだろうかって、気取ってんじゃねえよこんにゃろめ。とっくの昔から、それは批判されてんだばかやろうめ。「だが、へそ曲がりの筆者は」って上から目線でモノ言ってんじゃねえよ、こんにゃろめ。19世紀から指摘されてんだからめっちゃ普通なんだよ!!!こんにゃろうめ。
進歩主義の態度には遊びの要素が少ない。……遊びの反対を真面目と呼ぶなら、「今日まで、ある世紀が自己自身を、また存在のすべてを、ものものしい真面目さで受け取ったことがあるとすれば、それはこの19世紀にほかならなかった」(ホイジンガ)のである。
西部邁『経済理論学序説』
「情報」「結果」「成果」「答え」といったものが、現代社会において本当にもっとも大事なことなのだろうか
こんにゃろうめ!問いにはたった1つの「答え」が存在するのだろうかって、中学のクラスで1番賢いやつでも言っとったんだ、ばかやろーめ。「バースデーケーキのロウソクの火を一息だけで消したい!」、その答えは二酸化炭素!って教育的意味あんのかよばかやろうめ!
ばかやろうめ!
彼女たちが「ゾンビに追いかけられる」ということが、巨大な思考のプールへの誘導になる。
「彼女たちが『ゾンビに追いかけられる』ということが、巨大な思考のプールへの誘導になる」って何言ってんだばかやろうめ!ゾンビに追いかけられたら、息が切れて二酸化炭素が出るんだからほぼ答えじゃねえかばかやろうめ!
「番組には台本もなく、打ち合わせもなく、ひたすらガチンコでテーマと向き合うしかない」というルールである。登場する先生たちや筆者たちスタッフも、決して何も教えない。
「 登場する先生たちや筆者たちスタッフも、決して何も教えない」って何言ってんだばかやろうめ。ゾンビに追いかけられたら、息が切れて二酸化炭素が出るんだから教えまくってるだろうがばかやろうめ!!!!!
まったく方向性の定まらない、無駄にも見える、愚直で紆余曲折しまくる思考こそ、筆者たちが「グルグル思考」と名づけたものである。
「まったく方向性の定まらない」って何言ってんだばかやろうめ。ゾンビがまっすぐな方向性を提示しているだろうがばかやろうめ。
なーにが「紆余曲折しまくる思考」だよこんにゃろうめ。紆余曲折しまくるっていうのは、ケーキをろうそくごと口に入れる高田純次的な思考のことなんだよ!ばかやろうめ!!!
(紆余曲折しまくる思考を標榜しつつ、近代特有の一つの答えへの効率よいアプローチそのものを少し手間取らせディレイしているだけではないだろうか)
かわいい
出典:https://courrier.jp/news/archives/47393/
「東大生チームに勝って喜ぶすイエんサーガールズ」って6ページ8024文字も使って、何で勝負したか記事内に書かないとか、何考えてんだよばかやろうめ(注:運も作用するゲームで東大に勝ったことがあるが、各国立大との対戦成績は五分程度)
こんにゃろうめ!
まったく方向性の定まらない、無駄にも見える、愚直で紆余曲折しまくる思考こそ、筆者たちが「グルグル思考」と名づけたものである。
科学者が結果への直線的思考を求めてると思ってんのかばかやろうめ。科学者は「グルグル思考」のプロなんだぞばかやろうめ。
科学の歴史はある意味では錯覚と失策の歴史である。偉大なる迂愚者(うぐしゃ)の頭の悪い能率の悪い仕事の歴史である。……失敗をこわがる人は科学者にはなれない。科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた花園である。一身の利害に対して頭がよい人は戦士にはなりにくい。
出典:寺田寅彦『科学者とあたま』
科学は血の川のほとりにさいた花園なんだばかやろうめ。多くの科学者が、生計を捨てて無数の無駄を積み重ねてきた歴史があるんだばかやろうめ。グルグル思考とか新しがってんじゃねえよ、ばかやろうめ。
まとめ
番組で提示しているプロセスは、一つの解への直線的ルートの範疇(はんちゅう)に収まり、グルグル思考の比喩(具体例)としては適切ではない。したがって視聴者である学生たちの人生を変える力は言うほどない。
しかしながら、視聴者として狙っているであろう若い層は、推薦入試が増えてしまい現代思想と向き合う機会を失っています。一つの解への合理的な道のりを求める姿勢は、就活で志望理由書の「勝ちパターン」を求める大学生にも見て取れます。
番組『すイエんサー』はテレビという時間と形式の制約から不十分な部分も感じますが、番組が若い層に「一つの解への最短ルートを求める自分」を見直す契機となる可能性が全くないとは思いません。今後さらに改善されていくと思います。この記事は、番組の教育的な狙いを否定するものではありません。ジャーナ(^^)/