北朝鮮の電磁パルス攻撃が心配されるなか、サイトやブログを作っている方は、バックアップの必要性を感じていませんか? この記事では、USBメモリを使って簡単にできる、ワードプレスのバックアップ方法を探ってみました。
サイトのバックアップ方法
ネット上で調べても堂々巡りをしてしまう、ワードプレスのバックアップ方法。結論を言えば、次の2つのファイルをダウンロードすれば、大丈夫です。
- エクスポートファイル … テキスト(文章)のバックアップ。ワードプレスの「ツール」に必ず入っているエクスポート機能を使います。
- uploadsファイル … 写真のバックアップ。
慣れれば、テキストのバックアップは10秒。テキストさえ整えば、ある程度サイトは機能しますので、テキストのバックアップは最優先の課題です。
一方、写真のバックアップも10~30分程度(100記事規模の画像データが多いサイトの場合/USBへの保管の場合)で終わります。
サーバーのデータが消失すると起こること
ウェブサイトのデータは、日本国内または海外にあるサーバーに保存されています。何らかの理由で、データが消えてしまえば、ウェブサイトにアクセスしても上の画面となり、復帰もできません。
データが消える要因は以下の通りです。
- (1)サーバー運営会社のミスによるデータ消失。
- (2)大地震によるサーバーの損傷。
- (3)北朝鮮の電磁パルス攻撃。
(1)2012年には、日本新聞協会、小林製薬、長野電鉄などが契約していた、ヤフー系のサーバーでデータが消失しました。バックアップ済みの一部大企業を除き、データは復帰できませんでした。また、2017年3月には、ワードプレスのトラブル(脆弱性)により150万のサイトがハックされ、改ざんされました。大半がタイトルを「ハックしたぞ」と書き換えるなどの愉快犯でしたが、例えば反アフィリエイトサイトのハッカーが参入していれば、全記事を消去したはずです。
(2)大手サーバー、例えばエックスサーバーの場合、震度6強に耐えるように想定されています。しかし、格安のサーバー会社もあり、全般的には、絶対に大丈夫とは言えません。
(3)北朝鮮による電磁パルス攻撃があれば、人体は無傷ですが、データはすべて消えてしまいます。
※このほかプラグイン同士が干渉しあい、トラブルが起きることもあります。
サイトのバックアップ方法
ネット上で調べても堂々巡りをし、取り組み始めても上手く行かないのがバックアップです。
- プラグインを使う場合 … 全自動のプラグインを使うようアドバイスしている記事が多いですが、実際にはエラーがちょくちょく出現し、本当にバックアップされているか不安になります。また、全自動のため仕組み・成り立ちが理解できません。
- 手動でバックアップを行う場合 … バックアップの仕組みが分かり、効率よくデータを保存できますし安心感があります。ただし、方法は専門的な記事が多く分かりにくいです。筆者は知人のエンジニアに対面で確認しました。
この記事では、以下の2データのバックアップを提唱します。webの専門知識を駆使しサイトデザインや構築に注力している訳でなく、文章や写真のコンテンツに寄った運営をされている方なら、以下の2データでまずは十分です。
- エクスポートファイル … テキスト(文章)のバックアップ。ワードプレスの「ツール」に必ず入っているエクスポート機能を使います。
- uploadsファイル … 写真のバックアップ。
エクスポートファイルは、記事数にもよりますが、10秒前後でダウンロードできます。時間が短すぎて心配になりますが、全記事のテキストのダウンロードがこれで終了です。300記事規模のサイトでも0.3GB程度で済むので、売れ筋の32GBのUSBメモリに十分に入ります。
uploadsファイルは、300記事規模の写真が多いサイトでも、10GB程度です。複数サイトの運営の方でも、128GBの大容量USB(3500円くらい)に十分に収まります。外付けのハードディスクを買わなければと思っている方も多いと思いますが、その必要はありません。
サイトのバックアップの実際
サイトのバックアップの実際です。テスト用のサイトを作り、2記事をアップしました。
まずテキスト(文章)をバックアップ。
① ワードプレスに必ずついているツール>エクスポート機能を開き、ダウンロードボタンを押すだけです。ファイルをUSBなどに保存します。2記事の場合、0.1秒程度で終わります。
② 次に写真をバックアップ。自分が使っているサーバー上のデータを、USBメモリなどへ移動させます。FTP(ファイル・トランスファ・プロトコル)ソフトを使いますが、イメージほど難しいソフトではなく、サーバーからフォルダを転送(=トランスファ)するだけのソフトです。
FTPソフトは、FFFTPが有名です。無料で使用できますが、定評があります。ただし、エラーや通信の切断はそれなりに起き、どこまで転送できたか分からなくなってしまうこともあります。記事数が多めの方は、どこまで転送が終わり、いまどこを転送しているのかが一目瞭然のNextFTP4がおすすめです。
※NextFTP4は、アフィリエイトプログラムによるご紹介となります。
FTPソフトを使用し、写真が整理されているuploadsファイルを、サーバーから自分のPCやUSBメモリへ転送します。FFFTPでは左にドラッグするだけ。
plugins、themesファイルのバックアップもよく推奨されますが、プラグインの設定や、サイトのカスタマイズに凝っていない人は、uploadsファイルだけでも事足ります。
優先順位
- テキスト(文章)などのエクスポート(10秒で終わるので、すぐにやる)。
- uploadsファイルのバックアップ(USBなら10~30分もあれば終わる)。
USBには、上のように保存されます。本当にこれだけで、データが全て飛んでもサイトは復元できますので、ぜひやってみてください。
※筆者は文系で、コンテンツ作成にかなり寄っており、技術的な知識はありません。今回の記事執筆にあたり、エンジニアの方に相談し、実験も行いましたが、不足があればはてなブックマーク等でアドバイス頂けると幸いです。
実際にサーバーにアクシデントがあったとき
次にサーバーにアクシデントが発生したことを想定し、サーバーの全データを削除してみます。
アクセスできなくなりました。
つぎに復帰に移ります。まずは、使用するサーバーに、ワードプレスを導入します。エックスサーバーなど、ワンタッチでワードプレスを導入できるサーバーがおすすめです。
エックスサーバーの場合、サーバーパネル>ホームページ>自動インストールの順に進みます。
ワードプレスを導入した初期状態です。
まず、エクスポート機能で保存してあったテキスト(文章)を、インポート機能で戻します。
デフォルトで選択できる、WordPressの項目を選択します。今すぐインストールをクリックし、指示に従うだけです。
写真を除き、テキストやタイトルが見事に復活しました!
記事をhtml表示で確認すると、写真があった場所には、<img class="alignnone size-full wp-image-16" src="http://…….jpg" alt="" width="640" height="480" />のように、サーバーに保存した写真へのリンクのみ復活しています。
次に写真のデータを復活させます。デスクトップやUSBに保存してある、uploadsファイルをサーバーに転送します。
- 戻す場所は、public_html>wp-contents>【 ここ 】
サイト全体が復活しました!
自分の場合、絶対に必要なプラグインは、盗用防止となるYoast SEOとPubSubHubbubの2つだけだと考えているため、pluginsファイルの優先度は低くなります。また、サイトのカスタマイズはできないため、themesファイルも不要です。
端的に言えば、文章や写真に寄ったサイト運営をされている方なら、まずはこの記事の内容で十分だと思います。ワードプレスのバックアップについては、多くの先行記事がありますが、暗黙の前提が多く分かりにくく、FTPソフトのエラーと切断の繰り返しでギブアップしがちです。
北朝鮮 電磁パルス攻撃対策のバックアップ
北朝鮮の電磁パルス攻撃からデータを守るには、USBメモリなどに保管したデータをファラデーケージ(導体製のカゴ)に入れておく必要があります。電磁パルス攻撃からデータを守ることを記した記事は多数ありますが、どれも信憑性が薄くほとんど参考になりません。
- 日本の記事では最も参考になったのが、ブログ『不況対策!個人でも有効な方法』の「ファラデーケージの作り方」の記事。EMPの保護が要求される軍事システムに取り組むエンジニアの記事の和訳がある。
-
15 Things You Think You Know About Faraday Cages But You Don't - Ask a Prepper(海外の記事) … 議論が参考になりそう。「step-by-step instructions」のリンク先では、ファラデーケージの作り方が掲載されている。
ファラデーケージには未解明の部分が多く、一応手は打ちつつ、海外のサーバーにデータ(テキストなどのエクスポートファイル、uploadsファイルの2つが最優先)を保存するのが良いと思います。
こう書くと、電磁パルス攻撃が行われたらサイトのデータなど意味がないと言われそうですが、人間は生き残りますので、5年後、復興が始まればデータが意味を持ちます。例えば、東日本大震災の被災地も、現在は観光の立て直しに動かれています。
また、北朝鮮の問題はあくまできっかけです。実際には、これを機に、サーバーのトラブルや自然災害に備えるモチベーションがわくのではないかと提案です。個人サイトがほとんど消え、準備周到なキュレーションサイトのみが復活してゆく状況は避けたいです。
(追記)科学的に正しいかは分かりませんが、光学ディスク(Blu-ray disc)が性質上電磁パルスに強いのではないかとの記事を見つけました。
(まとめ)北朝鮮対策 10秒で終わるサイトのバックアップ
- テキスト(文章)などのエクスポート(10秒で終わるので、すぐにやる)。
- uploadsファイルのバックアップ(USBなら10~30分もあれば終わる)。
(1)ワードプレスの「ツール」に必ず入っているエクスポート機能を使えば、テキストの保存は10秒程度で終わります。USBへの保存が最優先。できれば、米国にサーバーがあるGoogleドライブにも保存(欧州ならなお可)。
(2)写真データは、FTPソフトを使うので緊張しますが、慣れれば10~30分程度で終わります(画像データが多い100記事規模のサイトの場合/USBへの保管の場合)。
※Googleドライブへの画像保存は長時間を要しますので、休日がおすすめ。
※北朝鮮対策としては、米国のサーバーであるGoogleドライブは意義が多少薄れますが、日米同時攻撃がなければ有効。ヨーロッパのサーバーの知識がある方は、そちらが良いかと思いますが、Googleドライブは、すぐに仕組みが分かり安いです(10サイト程度の運営なら、100GB/月250円のプランで収まります)。
筆者は、体制堅持が唯一の目標である北朝鮮が、核を実際に使う可能性は極めて低いと考えています。あくまで北朝鮮の電磁パルス対策を機に、自然災害やサーバーのトラブルに備えましょうという意味です。
余談 電波 パ ル ス
仕事で小論文を添削していたら、電磁 バ ル スが登場!
バルスは、ラピュタとなります。
サイトのバックアップで使用したもの
エックスサーバーは、評判がよく定番ともいえるサーバーで、筆者も使用しています。10サイト近く運営していますがX10プランで十分。問い合わせメールへの対応が極めて速く、平日なら電話での問い合わせもできます。答えに窮すると思われた、電磁パルス攻撃への対応度も、1時間で返信があり驚きました。定型文を送ってくることはなく、誠実です。
- サンディスク USBメモリ(128GB)
売れ筋の USBメモリです。10サイト程度なら収まると思います。
FTPソフト(ファイル転送ソフト)は、エラーや切断がつきものです。無料のFFFTPの場合、エラーや切断のあと、どこまで転送が終わっているかが分かりにくいですが、NextFTP4の場合、転送の進行が見える化されており、つきっきりでなくても機能します。エラーや切断の発生率も、低いと感じます。
転送はUSBに比べはるかに時間がかかりますが、エラーがあっても止まりにくく、最後に上書きすれば、エラーを潰してくれます。とにかく時間はかかりますので、①テキスト(文章)などのエクスポート、②uploadsファイルという優先順位を知っていることがモノを言います。
※エックスサーバーは、A8ネットを介したご紹介となります。また、NextFTP4は、ソフト提供会社のアフィリエイトプログラムを介したご紹介となります。