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博多一風堂がまずいと聞き、シロマルベースから歴史をたどってみたい

博多(長浜)ラーメンのチェーンの人気チェーンに、博多一風堂があります。白い丼と赤い丼があり、店内も赤と白に統一されている、おしゃれなお店です。

白い丼が、基本のとんこつラーメンですが、その原点となった、創業当時の味を提供しているのが、シロマルベースです。渋谷、大森、梅田、堂山、金山(愛知県)のみの展開です。

シロマルベース

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渋谷のシロマルベース。路面は狭いですが、奥はL字型で、広くなっています。

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創業当時の味、シロマルベースは700円です。

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シロマルベース。とんこつ感はありますが、豚臭くないのは、一風堂風です。しかし、食べ進めると、味が単調で薄く、すぐに食べ飽きてしまいます。一風堂ってこんなにダメだったっけ?となる味です。

例えて言えば、ラーメン好きが、家で初めてとんこつを作りました、みたいな味です。創業当時の味ですから、それでいいのかもしれませんが←

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店内L字型のカウンターのみ。赤と白のデザインでなく、打ちっ放しのコンクリートと木目を重んじた、落ちついたデザインです。

一風堂は、あれは博多(長浜)ラーメンではない、あるいは高すぎると批判されます。

しかし、一風堂は、そもそも従来の博多(長浜)ラーメン店へのアンチテーゼが原点にあるチェーンだと思います。博多ラーメン店は、豚臭く、床ドロドロ、カウンターキツキツのおっさんホイホイ的なお店が目立ちますので、女性は興味があっても入ることすらできなかったはずです。一風堂は、その辺の課題を解消していますので、博多(長浜)ラーメンらしくないテーストや、やや高い設定の値段は致し方ないとも思います。

簡単に言えば、博多(長浜)ラーメンのスタバ版です。スタバは客層を操作していると言われることがあります。多少高めの設定に内装を工夫することで、バリアーを張り、逆おっさんホイホイ的な演出をしているのではないかということです。しかし、スタバの経営陣が書いた本を読んでも、そのような内容は見つかりません。おそらく俗説だ思いますし、いくらバリアーを張られても突破する、自分のようなおっさんもいます。しかし、女性客が多いことは確かです。一風堂もこだわりの結果が客層に現れているのでしょう。

※長浜ラーメンは、博多ラーメンと違うという考え方もあるため、この記事では上の3段とリード文以外は、博多ラーメンの呼称に統一しています。

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一風堂がこだわるのは、博多ラーメンらしさや値段の安さではなく、例えば清掃状況です。ステンレスはビカビカに、との注意書きが貼ってあります。また、一風堂は、海外のお客様にもフレンドリーになどと、うまいこと言って、比較的募集しやすい外国人の店員をよく使っているように思います。しかし、シロマルベース渋谷店の場合、外国人の店員が非常によく訓練されており、非常に好印象でした(仕事がないときに、アルバイトでも全体が見える位置に立つように、訓練されているなど。ただし、支店によって差があります)。

シロマルベースでは、大盛りなどのアレンジを、紙に書いて店員に渡すシステムと聞いていました。しかし、渋谷店では食券制のためか、そのシステムではありませんでした。紙に書いて渡すシステムに関しては、なぜわざわざ紙に?という声もネット上で見かけましたが、女性客が「大盛り、バリカタ、チャーシュー増し!」なんて、大声で注文できると思いますか?ユーザーファーストを徹底しているのが、一風堂だと思います。

シロマルベースの味はあまり褒められたレベルではないと思いましたが、一風堂の売りは、おしゃれな雰囲気、結果的に調整された客層(逆おっさんホイホイ)、豚くさくない(あまり息が臭くならない)ラーメンといったところでしょう。ラーメンマニアからは、よく批判されるお店ですが、あーたとは、マーケティング力のレベルが違うよというのが、一風堂の本音なのでしょう。

念のため白丸元味の味を確認

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シロマルベースが余りにも原点すぎたため、念のため、通常の一風堂のチェーンも久しぶりに訪問しました。

基本が白丸元味(790円)、アレンジ形が赤丸新味(850円です)。通常の長浜ラーメンは、500円前後ですので、高いのは確かです。

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麺は博多ラーメンによくあるストレートの細麺です。スープは、独特の臭みや一般的にいうとんこつ感は薄いです。しかし、独自のダシがよく出ており、全体としてはバランスよく仕上がっています。鶏ダシのようにも感じましたが、そのような情報はなく、下準備、使用する部位、加工法、調理法などで差をつけているのかもしれません。完成度は高いと思いました。

自分の経験値では、これ以上の分析はできないため、コメント等で教えていただければ幸いです。

シロマルベースにはなかった、キクラゲともやしがデフォルトで入っていました。シロマルベースの不満足感は、キクラゲが入っていなかったことも大きいようです。

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一風堂は、替え玉が高い点もよく批判されます。しかし、そもそも博多ラーメンを食べて替え玉をしたくなるのは、味が単調すぎるからです。博多ラーメンは、通常、とんこつスープへのこだわりのみが求められるため、具材はシンプルです。そのため、満腹感を感じにくく、替え玉を頼んでしまうやや不健康な面があります。

一風堂は、辛子もやしなどの副菜が取り放題になっています。そのため、副菜を上手に使えば、本来は替え玉をしなくても満足度は上がるようにできています。一風堂でも替え玉をしないと気が済まないという方は、もともと大食傾向にあるか、あるいは、博多ラーメンでは替え玉という条件反射の面が強いように思いますが、いかがでしょうか?一風堂の替え玉が高いという批判は当たらないと思います。

もやしは一応野菜であり、生姜は健康食、漬物は発酵食品と、女性や健康を気にする人への配慮も見られます(紅生姜は博多ラーメンのデフォルトではありますが)。

まとめ

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あくまで主観ですが、博多一風堂のシロマルベースのオススメ度はやや低めです。真っ正面から元祖の味を提供しているのでしょうか?せめてキクラゲともやしは、デフォルトでつけてほしいです。一風堂がいかに成長したのかが分かるという利点は、あるかも知れません。なお、一風堂はラーメンの味を定期的に変えていますので、シロマルベースが現在の白丸元味の直系の先祖というわけではありません。

博多一風堂通常店の白丸元味(写真)は、本来の博多ラーメンとは異なりますが、独自のダシの取り方で仕上げられており、1つのよく完成された料理です。相当高い技術があるように感じます。また、辛子もやしなどがあり、バランスが良く、替え玉が必須ではないのも利点です。

店内の雰囲気、客層などから、ラーメン界のスタバと捉えて良いでしょう。「顧客がスターバックスを訪れる理由は、コーヒー、社員、店での体験の三つなのである」と、スタバの最高経営責任者であるハワード・シュルツは述べています。

「顧客が博多一風堂を訪れる理由は、ラーメン、スタッフ、店での体験の三つなのである」ということでしょう。お茶の容器がプラスチック製である点は改善すべきですが、博多ラーメン店に比べ、(捉え方にもよりますが)かなり良質の店での体験を提供できているはずで、価格が高くて当然です。批判的なラーメンマニアは、ラーメンの味に特化しすぎる、ラー粋主義者だと言えるかもしれません。駅からの距離も家賃に関わるので、考慮してほしいところです。

「スターバックスの店に近づいて、最初に気づくのは何だろうか。その香りであることは間違いがない」  ハワード・シュルツは述べています。

「博多一風堂の店に近づいて、最初に気づくのは何だろうか。豚臭くないことであるのは間違いがない」  確かに博多一風堂が、博多ラーメンを名乗り全国区となり海外にまで進出してゆくのは、長く地元で暮らしてきた人にとっては、看過しがたいことなのかも知れません。博多一風堂は、典型的な博多ラーメンではないということを、ウェブサイトや店内で正しく説明する責任はあるでしょう。

 

秋っぽい曲です。知人です。

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