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じゃーな!

「別な人」が作る社会に引導を渡す

プリンス マドンナ マイケルジャクソン

増田風

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プリンスが亡くなり改めて代表曲を聞いてみた方が多いと思う。

http://www.jarna.jp/entry/masuda/prince

米音楽史屈指の奇才と言われ難しいイメージがある割に、案外popな曲調が多かったはずだ。歴代ヒット曲のなかで18位につけたAlphabet St(アルファベットストリート)は、音楽マスコミに売れ線狙いと皮肉られかねないほどpopで驚くはずだ。この曲はアルバムLovesexyに収められている。このアルバムはいわくつきで、一般的に言えば9曲が収録されているが、プリンス様の意向で「1曲」としてCD化された。例えば2曲目のAlphabet Stを聞く場合、1曲目を早送りしないと聞けないのだ。9曲目はもっと大変。

プリンスが優れているのは、誰も理解できない常識を超えた才能がありながら、世に出す作品は常に常識の周縁部に抑えて込んできたこと。だから売れ続けた。同じころ売れに売れていたリチャード・マークスは、米音楽業界の誰もが爆発的に売れると確信していた3枚目のアルバムRush Streetで大コケした。2番目にシングルカットしたHazardが主犯のひとつ。この曲はある田舎町で冤罪に巻き込まれた青年を描いた超意欲作だったが、曲調が地味すぎ、さすがに2番目にシングルカットすべき曲ではなかった。リチャードはこの手痛いミスでスターダムから一気に転落した。

マイケル・ジャクソンも非常識をpopに収める天才だ。大ヒット曲Smooth Criminalは、中盤からAnnie are you Ok?(アニー、大丈夫かい?)をただただ連呼して、耳が慣れたのを利用し一気にメロディーを変えサビに持っていく面白い構成。これはほかのアーティストは考えつかないし、曲の隠しテーマが児童虐待ではないかという意見もある。しかしマイケルは極めてpopな楽曲をつけて、きわどく常識の周縁部に抑え込んでいる。このセンスはプリンスと共通だ。一方健康マニアであり最も長生きすることになったマドンナはちょっと劣る。全米を騒然とさせた楽曲のひとつにLike a Prayerがあるが、これはPVで十字架を燃やしたことで教会から問題視された。歌詞・楽曲とも非常にpopな仕上がりで、十字架を燃やすことで常識を破る態度に出た訳だが、これはマドンナ自身のアイデンティティというよりプロデュースの一環という臭いが強く漂う。つまりマドンナ本人は極めて常識的な人間であり、イメージよりは精神的にも安定しているのではないか?マイケルジャクソンやプリンスは、その性(さが)に類まれなる猛獣を抱え込んでいたことが死期を早めたような気がする。マイケルジャクソンに次ぐプリンスの他界は非常に残念だが、芸術や文章を志す人間にとって、プリンス・マドンナ・マイケルジャクソンの常識の周縁部を正確に射抜く作品群はとても参考になる。

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