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先駆者が死去した糖質制限(低炭水化物)ダイエットは危険?医師3千人が明かした真実

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「日経トレンディ」2016年5月号が糖質制限(低炭水化物)ダイエットや健康食品の是非について3千人の医師に調査をしました。その内容の一部と私自身の体験談をエントリしました。

 日経トレンディ公式サイト

医師が実践したことがあるダイエット

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1位 運動 355人

2位 糖質制限ダイエット 299人

3位 食べ順ダイエット 253人

医師が選んだダイエット方法は気になりませんか?「糖質制限ダイエット」は299人の医師が挙げ第2位。医師の目からも客観性のあるダイエットと見なされたようです。ただしアンケートに答えた3000人全体の中では、まだ1割程度(この設問は複数回答可)。ダイエットの必要性そのものを感じている医師はある程度はいると考えられますので、様子見も多いのが現状でしょう。

※記事では低糖質ダイエットが扱われ低炭水化物ダイエットとは区別されていますが、一般には近い意味でつかわれています。

id:travel_jarnaは2015年の夏から秋にかけて、自己流で糖質制限を実践しました。結果的に約10キロ体重が落ち、気になっていた食後の強い眠気から解放されました。体調もかなり良くなり、1日の仕事量は1・5倍に。問題点としては、急に野菜や繊維質を増やしたためか胃を壊したことです(胃カメラによる検査結果は良性。医師は特に何もする必要がない、食事も気にしなくて良いとの診断でした)。

トータルでは糖質制限をやってよかったと思いますが、急な食事バランスの変更で胃に負担をかけないように注意してください。

医師自身のダイエット成功率ランキング

1位 運動 82%

2位 糖質制限ダイエット 74%

3位 食べ順ダイエット 73%

医師自身のダイエット成功率でも、運動と糖質制限(低炭水化物)ダイエットのワンツーは変わらず。食べ順ダイエットは、糖質制限と併用する人も目立ちます。食べ順ダイエットとは、大まかに言えば「野菜・汁物→肉類→炭水化物(パン・ご飯・麺類)」の順です。

id:travel_jarnaは、現在は炭水化物の半分を野菜に置き換える穏やかな低炭水化物ダイエットをしています。炭水化物をゼロにしてしまうと、結局間食で糖分を取ったり夜に糖分を取りたくなったりと逆効果です。ある程度ご飯やうどんをとるようにしています。

トクホ、サプリメントなどを利用したダイエットの経験

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写真:「日経トレンディ」2016年5月号の誌面

1位 特定保健用食品(トクホ) 144人

2位 サプリメント 143人

3位 機能性表示食品 50人

 「脂肪を消費しやすくする」「体脂肪を減らす」などと健康メリットを表示できる消費者庁お墨つきがトクホ。ダイエットに利用した経験のある医師の数は1位です。しかし144人は3000人のなかでは1割にも満たず、お茶などもともと健康に良いとされる商品が多い割には少ないと言えます。実際にトクホやサプリメントなどを「取っていない」と答えた医師は767人もおり隠れた1位です。

日経トレンディもこれをはっきり指摘しています。日経トレンディの該当号で健康関連のスポンサーは、大正漢方胃腸薬、サントリー、三井農林(ヨーグルトタイプ飲料)の3社のみ。雑誌の売り上げが主体となっているので、はっきりとモノが言えるのでしょう。サントリーの広告は「特茶」を含みますが、記事ではヘルシアやからだすこやか茶と並べられているのも好感が持てます。さすが日経です(普通の出版社ならスポンサーに不利になることは一切書きません)。

なお、機能性表示食品はトクホに類似した制度ですが、国の審査がなく届出制で事業者の責任で表示される仕組みです。結論としては、お茶、青汁、ヨーグルト等もともと良いといわれる食品に若干のプラスアルファを期待してという使い方が良いと思います。

食事をしてから就寝までの理想時間

1位 4時間前後 35%

2位 3時間前後 26%

3位 5時間前後 17%

食事をしてから就寝までの理想時間は4時間と答えた医師が最多数でした。24時に就寝の場合は、20時に夕食をとり終えるのが理想となります。

id:travel_jarnaは、広告代理店と私塾で働いたことがあります。代理店では夕食は差し入れのせんべい、夜食が22時ごろという生活で、私塾でも似たようなものでした。企業が社員の健康を考え食事の配慮をするのが本来の姿でしょう。

糖質制限ダイエットに効果はあるか

1位 短期的にはあるが長期的には不明 35%

2位 効果がある 30%

3位 短期的にはあるが長期的にはよくない 20%

糖質制限(低炭水化物)ダイエット自体の歴史が浅くエビデンスがないため、「長期的には不明」は医師として当然の見解。(少なくとも短期的には)効果があると答えた医師が65%にのぼったのは、糖質制限ダイエットの時代に入ったのだと感じさせます。少し前まで「白いご飯」は健康食のようなイメージがあっただけに時の流れを感じます。この種の統計でいつも抜けているのは、糖質制限ダイエットの定義。厳格な糖質制限なのか、ゆるやかな制限なのかで医師の見解も違うはずです。

医師の判断に影響したのは、2016年2月に低炭水化物ダイエットの第1人者でもあったノンフィクション作家の桐山秀樹氏が急逝したこと。「著名な方が若くして死亡すればダイエットどころではない」(40歳の女医)という意見が複数あったとのことです。しかし十分な量のエビデンスを好む西洋医学の医師らしくない発言です。たった一つの事例から結論を導くことは、西洋では議論(argument)ではなく断言(assertion)と呼ばれていたはずです。

桐山秀樹氏は糖質制限を始める前から、糖尿病の診断を得ており動脈硬化の可能性もあったと言われます。死因も心不全・急性心筋梗塞です。ダイエットは大きな市場であり、さまざまな理論やそれに基づく商品が激しい競争を繰り広げています。競争相手は面白おかしく「第1人者が死んだ」と流布するはずですが、そのような姿勢は私たちの健康を守る立場の発言ではないと思います。

今後普及しそうなゆるやかな糖質制限ダイエット

・ケトジェニックダイエット…糖質は1食20g以下、たんぱく質は1日あたり1.2~1.6g×体重、食物繊維は1日20g以上、オメガ3脂肪酸は1日2g以上。

・ロカボ…北里研究所病院糖尿病センター長考案。1日の糖質摂取量を70~130g

この2つが日経トレンディが紹介した新傾向の糖質制限(低炭水化物)ダイエットです。言われるまでもなく多くの人がゆるやかな糖質制限を実践中だと思いますが、具体的な数値やオメガ3脂肪酸の提示など学ぶべきところもあります。

医師が健康維持のために積極的に食べているもの

1位 野菜245人

2位 ヨーグルト244

3位 納豆109人

野菜、ヨーグルト、納豆と想像に難(かた)くない代表的な健康食品がランクインしました。意外なのは濃縮果汁還元が目立つ野菜ジュースを49人が飲んでいること。もっと少ないと思いました。また予想通り牛乳は43人と少な目。酪農畜産の保護などセンシティブな問題があるため余り触れずにおきますが、飲料としての牛乳消費に頼らず、マーガリンより健康によいバターの生産を増やしてほしいです。

日経トレンディが注目したのは、以前の同種の調査に比べ「オイル」が27人に急増していること。具体的には医師の人気順にオリーブオイル、DHA EPA、亜麻仁油などを指し、いずれもオメガ3脂肪酸を含みます。オメガ3脂肪酸は研究途上ですが、米国では健康上の観点から注目されています。

コーヒーを飲んでいますか

1位 健康に関係なく飲む 64%

2位 好きではないので飲まない 17%

3位 健康に良いので飲む 15%

世間では健康に良いとの意見が目立つコーヒーに関して、多くの医師は嗜好(しこう)品として捉えているようです。コーヒーと並び最近注目を集めているテーマに関し、医師は次のように答えています。

✔ コラーゲンを食べても肌はツルツルにならない

そう思う79.7%

✔ 水素水を飲んでも健康にはならない

そう思う77.9%

✔ 食後すぐに歯を磨いてはいけない

そうは思わない73.6%

✔ 自分ががんになったときに抗がん剤を使うか

使う80%

✔ 自分が病気になったらジェネリック医薬品を服用するか

基本的にしない、全くしない54%(ただし積極的と答えた医師も35%存在)

居酒屋などでコラーゲンを浮かべた鍋を見かけますが、今後は沈んでいきそうです。抗がん剤については効果が高いものと低いものがあり、質問の仕方が良くないと感じます。ジェネリック薬品は国が医療費の削減のためにやっきになっている面もあるようで、1.5級品と見たほうが良さそうです。

コレステロールは善か悪か

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医師によるアンケートと少し角度は異なりますが「コレステロール」の善悪についても記事には触れられています。

日本動脈硬化学会の見解 

循環器や内分泌の専門医からなる学会。「動脈硬化を防ぐにはコレステロール値が低いほど良い」という従来からの見解。

≪正常基準値≫ 

総コレステロール150mg/dl以下

HDLコレステロール40以上

LDL(悪玉)コレステロール140以下(120~139境界値)

id:travel_jarnaの場合、前回の検診ではLDH208で「ただちに医療機関で受診してください。将来ねたきりになる恐れがあります」と自動印字されました。また以前に同様の数値で受診したところ、アステラス製薬の「リピトール」を処方されました。アステラス製薬は日本動脈硬化学会の賛助会員です(賛助会員社一覧)。

日本人間ドック学会の見解

人間ドック専門医からなる学会。

≪正常基準値≫

総コレステロール151~254mg/dl

LDL(悪玉)コレステロール72~178

LDH208だったid:travel_jarnaの場合、前回の検診当日のの医師の問診では「個人差もありますし、ほかの数値とのバランス上この数値なら問題はないです。ほかの数値が高ければ警戒しますがそうではないので」と言われました。食生活について尋ねても「特に改善の必要はないですね」と言われました。腹囲が基準より1mmだけオーバーしたため受診した看護師による生活指導では、正反対のトーンで「数値を落とさないと危険です」と言われました。

日本脂質栄養学会の見解 

栄養学や薬学の専門家がメンバー。

「コレステロールが低すぎるほうが問題」という立場で、総コレステロール200以上でも、女性の死亡率は変わらず、男性はむしろ下がる。LDLコレステロールはそもそも悪玉ではないという見解。

以上、客観的事実のみを淡々と書いてみました。医師、看護師、健康診断の設計担当の医師等それぞれの専門家によって考え方が異なることが理解いただけたと思います。厚労省は、近年コレステロール摂取基準値を廃止しています。これは食品のコレステロールが、体内のコレステロール値に影響するというエビデンスがないからです。「日経トレンディ」によると、医師の63%は「食品からの(コレステロール分)摂取を気にしていない」、29%は「なるべく避けるようにしている」と答えています。

まとめ

運動糖質制限(低炭水化物)ダイエット食べ順、(ジュースでない)野菜納豆ヨーグルトは医師も認めるキーワードであり、オメガ3脂肪酸が今後の注目ワードと言えます。

※日経トレンディ2016年5月号には、このほかの質問や解説も掲載されています。

www.jarna.jp