じゃーな!

「別な人」が作る社会に引導を渡す

随想には随想を 新しい酒には新しい革袋を

はてなブログで、ちょっと興味深い小さな論戦があったので、出張前にちょろっと書いてみます。随想には随想を 新しい酒には新しい革袋を。

随想には随想を 新しい酒には新しい革袋を

sakenominimal.hatenablog.com

元エントリーは、詳しくは実際に読んで頂きたいですが、以下のような感じです。

  • 50歳母曰く、「駅員に怒鳴りつけるサラリーマンの気持ちがわからない」。
  • サラリーマンって通勤、勤務、人間関係でズタボロだから、分かってあげて。
  • 母ちゃん、大手に腰かけた後、良い会社のパパつかまえて結婚生活じゃない。

こんな、母親との日常会話を記した、随想です。

ずいそう【随想】
あれこれと心に浮かぶままに思うこと。それを書きとめた文章。

ひょうろん【評論】
物事のよしあし・優劣・価値などについて論ずること。また、その文章。

このエントリーに、駅員の立場を配慮すべき、あるいは、サラリーマンの行為を擁護すべきではないなどの観点から、各所で批判がありました。

批判それぞれの内容は個々に正しいと思いましたが、それより先に、随想は随想として読んで、もし返すなら随想返しがベターではと、思いました。例えば『おい娘! 母ちゃんだって苦労したのよ』『駅員は辛いよ』『駅員~EKIINN~怒りの脱出』とかです。

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出典:Amazon

もとのエントリーは、あくまで日々雑感なので、客観性、総合性、論理性を求めるものでは、ないのではないかと。

そして、仮にですよ。どうしても元エントリーを、評論として読んでみたいなら、この文章は二項対立です。

  • 数少ない恵まれた企業の社員。あるいは、その妻としての安定した暮らし。
  • 日々みな忙しく、理不尽さを孕みつつ、邁進せざるを得ないサラリーマン。

随想から、多少の意見表明を読み取るとしても、この二項対立から読解の筋は外してはならないのではないかと。仮に結論づければ、日々みな忙しく、理不尽さを孕みつつ、邁進せざるを得ない企業と、ストレスを溜め込むサラリーマンのあり方に問題提起するというのが、本旨かと思います。

ここで、駅員の立場を配慮すべき、あるいは、サラリーマンの行為の正当性などの観点から述べるのは、ファール線内への打撃ではないかと。今日は大して寒くないなと書いた人に、やり直し、例年より気温低いと答えるようなものです。

もちろん、テキストの読み方は自由であり、どの角度から批判しても良いという、インターネットのルールは、理解した上で、あえて「国語」的に言えばと言う、条件つき命題です。

随想には随想を 私が驚いた理由

私が今回の論戦(というほどのものでもないですが)に驚いたのは、日本のサラリーマンの働き方に対し理解を示すようなエントリーは、絶対に批判されないと思っていたからです。だって、通勤電車のサラリーマンは死んだ目をしている、というツッコミに対して、いや来るべき華々しい戦闘に備え充電しているのだ、みたいな無理筋が通る世界です。いや、どう考えたって、時差出勤法令化すべきでしょ。

日本のサラリーマンの働き方に対し理解を示すようなエントリーに対し、なぜ噛み付く人が想像以上にいたのか? ここに興味を持ちました。←目のつけどころが東芝でしょ?

仮設を立てると、

  • 鉄道業務は公共性が高く、日常生活のなかで、みなが駅員の苦労をリアルに想像できている。だから、駅員に対する暴力的行為を許容する発言は気になる。
  • 母親に対する、冷めた見方が引っかかる(文中に親子関係が冷めていると読み取れる根拠はないが、そう読むことは自由)。
  • エントリー筆者が、わずか2年の会社経験を根拠に、サラリーマンの心理をやや表層的に捉えている(随想だから、別に表層的でも良いとは思いますが……)。
  • 「あの世代にありがちな形式的な夢」と、家を持ち子を育てる生き方を、一方的に否定してしまっている。ついでに専業主婦を卑下するトーンがある。
  • 元エントリーのデザインがピンク基調であることも、多少は影響していそう(深く言及すると、ヤバい案件なので、緊急避難)。

なるほど。きちんと読むと、批判したくなる要素が結構はいってますね(笑) このエントリーを書き始めた段階では、随想に客観批判するかよ、と思っていましたが、サラリーマンや世代に対する、(随想であることを酌量しても)不用意な決めつけがあったかも知れません。人の心を扱う随想だからこそ、そこは掘り下げるべきでした。

(まとめ)随想には随想を 新しい酒には新しい革袋を

いずれにしても、私がこの文章で伝えたかったことは、「随想には随想を 新しい酒には新しい革袋を」ということに変わりはありません。随所まで計算しつくされた評論に対し、随想では、自由に書きなぐりやがれと考えています。

ずいそう【随想】
あれこれと心に浮かぶままに思うこと。それを書きとめた文章。

ただ、ちょっと分析してみると、確かに、スイッチが入ってしまう不用意な要素は、元エントリーにあるかも、と思いました。

一方で、前にも書きましたが、文章は書いた人の年齢に沿って読むべきだというのが持論です。もとの文章の筆者の方は、まだ20代で、会社勤めの経験は2年です。この段階で、サラリーマンの苦労を自分なりに読み込んで、表現し、ブログに残したのは、悪いことではないですし、こういった議論を経て、思考が深まってゆくのではないかと思います。

www.jarna.jp

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